ドル/円、月初来高値更新も上昇ピッチ鈍化=外為どっとコム総研 神田卓也
ドル/円、月初来高値更新も上昇ピッチ鈍化
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。109.60円台まで弱含む場面もあったが、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念からドルを買う動きは根強く、NY市場では111.59円前後まで反発して月初来高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)は、15日に再開を決めたばかりの資産買い入れ(QE)の上限を取り払い事実上の無制限QEを発表したが、米株安・ドル高の流れは変わらなかった。ただ、ドル/円は年初来高値の112.22円前後が近付くに連れて上昇ピッチが鈍ってきた。一方、ユーロ/ドルは1.06ドル台で下げ渋る動きとなっており、各通貨に対するドル買いの勢いは先週に比べると弱まっている。もっとも、ただでさえドル資金需要が逼迫しやすい3月末が接近しており、せっかく確保したドルを手離す動きにはなりにくいだろう。ドル/円は調整的な反落があっても109円台前半では下げ渋りそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。