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【来週の注目材料】米国はゼロ金利政策を再開するのか?<米FOMC>

為替 

 新型コロナウイルスの感染被害が世界的に広がり、市場の混乱が拡大。実体経済への悪影響に対する懸念も広がる中で、米FRBは3月3日に臨時会合を開き、0.50%の緊急利下げを実施、政策金利であるFF金利翌日物誘導目標は1.50%-1.75%から1.00%-1.25%に引き下げられました。

 3月17日、18日に定例会合を控えているにも関わらず、その約2週間前の緊急利下げ、それも0.25%ではなく0.50%の大幅利下げに市場は驚きましたが、株安の流れは止まらず、緊急利下げを行った3日を含む1週間のダウ平均株価指数の下げ幅は3583ドルと過去最大を記録しました。
 さらに翌週になって市場の混乱が加速。週明け9日のダウ平均の下げ幅は2013.76ドルとこれまでの最高記録であった1190ドルを大幅に更新。10日は逆に1000ドル以上の上昇となりましたが、11日に1464.94ドルと過去二番目の下落幅、さらに12日には2352.60ドルと9日の記録をさらに更新する下落幅を記録しています。下落率でみると約10%と1987年のブラックマンデー以来の下げとなります。
 
 こうした状況を受けて市場では17日18日のFOMCでの追加利下げを見込む動きが広がっています。当初は0.25%の見通しが一般的でしたが、市場の混乱が世界的に広がる中で、見通しがどんどん積極的になっており、短期金利市場では一気に1.00%の利下げを実施して、実質ゼロ金利に戻すという期待が強まっています。

 米国はリーマンショックを受けて2008年12月のFOMCで実質ゼロ金利政策を実施(FF金利誘導目標を0.00%-0.25%)、その後2015年12月のFOMCで利上げを実施するまで約7年間ゼロ金利を維持しました。
 その間、2009年3月には量的緩和政策第1弾を開始。翌2010年3月にはいったん量的緩和を終了も、同年11月に量的緩和第2弾を開始(2011年6月まで)。さらに2012年9月からは量的緩和第3弾を開始(2014年10月まで)するなど、非伝統的金融政策にも踏み込む姿勢を見せました。
 2015年12月の利上げから段階的に金利が引き上げられ、2019年2月には2.50%-2.75%まで金利が上昇しましたが、昨年後半の3回の利下げに続いて、今月二回の利下げで一気に金利がなくなるとすると、かなり速いペースという印象です。
 ちなみに前回大きく下げたリーマンショック(というよりもその手前のサブプライムショックからですが)の時の動きは、2006年6月に5.25%まで引き上げられた後、1年以上維持されていたFF金利を2007年9月のFOMCで0.50%引き下げ4.75%に。その後は利下げが続き2008年12月まで1年3カ月で実質5.25%下げています。なお、リーマンショックの後を受けた2018年12月のFOMCでは、それまでの1.00%から0.00%-0.25%に一気に引き下げられていますので、リーマンショック級とみられる今回の状況で一気に1.00%の利下げも十分にありうると考えられます。

 米CMEに上場する通貨先物市場動向からみた政策金利見通しを示すCMEFedWatchでは、13日時点て1.00%の利下げを86.7%まで織り込む動きとなりました。

 ただ、問題は今回の緩和で市場が安心するのかどうか。

パウエルFRB議長が大幅利下げに加えて、今後の量的緩和再開の可能性まで示してくるようだと、市場も積極性を評価してくる可能性が高そうです。混乱した市場動向を落ち着かせる材料となることが期待されます。

一方で、いきなりのゼロ金利再開に対する抵抗もあり、3日同様に0.50%の利下げにとどめるなどの結果になると、一気に失望感が広がり米株安の動きもありそうです。この場合、利下げが限定的で瞬間にドル買いが入ったとしても、米株の失望売りから円高が進み、ドル円は結局下げる可能性が高そう。期待からの反動もあり、一気に値を崩す可能性もあります。

 発表は19日午前3時。その30分後、19日午前3時半からパウエル議長の会見となります。
 
 なお、19日には日銀金融政策決定会合の結果も発表されます(時刻は未定も、昼前後です)。世界各国の中銀が大規模緩和に向かう中、日銀も何もしないということは難しく、ETFの買い入れ枠拡大などの緩和策実施が見込まれています。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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