ドル高基調継続、株に調整も押し目限定的
ドル高基調継続、株に調整も押し目限定的
新型コロナウイルス警戒感が円売りを含めアジア売りに
【東京市場】ドル円111円台前半
昨日の海外市場で110円ちょうど前後から111円50銭超えまで大きく上昇を見せたドル円。少し戻して東京朝を迎えると、その後もいったん調整が入り111円11銭まで下落。一気のドル買い円売りに警戒感が広がる場面が見られた。
クルーズ船で感染し、入院していた日本人2名が死亡との報道も円売りを誘った。
その後はドル高が優勢に。オフショア人民元が直近のドル高元安水準を超えて7.04台を付ける動きに。韓国ウォン、シンガポールドルなども売りが出てアジア通貨全面安に。
米債利回りが1.55%を割り込む動きも、ドル売りにはつながらず、ユーロドル、ポンドドルなどはドル買いの動き。ユーロドルは午前の1.0810台までの戻しから、1.0792まで値を落とす展開に。ポンドドルは1.2901まで値を落としている。
午前中の雇用統計で失業率が予想よりも悪化したことを受けて売りが出た豪ドルは、0.6690近辺から0.6630まで大きく下落。ドル全高基調も豪ドル安につながった。
【ロンドン市場】ドル円上昇止まらず112円台に
ロンドン市場で序盤からドル高円安が進んだ。
昨日の高値を超えて上昇するドル円は112円台に乗せる動きに。
東京午後にクルーズ船で勤務中の日本の内閣官房や厚労省の事務員が感染との報道なども
新型コロナウイルスの感染懸念につながる形で円売りとなっている。
東京午前にアジア通貨全面安となったことで、新型コロナウイルス関連での
円も含めたアジア通貨安の流れが意識されていた面も。
【NY市場】ドル円は112円23銭まで
ドル円は112円23銭まで上昇。その後はいったん上値追いが収まったが
押し目は限定的で、一時111円台まで調整。
米株に調整の動きが広がり、ダウ平均が一時388ドル安まで下げたことなどが重石に
もっともその後112円台を回復する動き。
株安も収まり、下げ幅をかなり縮めてのクローズに。
【本日の見通し】調整の動きも、上値意識
さすがに二日で2円以上の上昇に対する警戒感が出ている。
ただ、過熱感がそれほどあるわけではなく、
ドル円に関しては下がると買いが出る流れか。
112円を挟んでの推移が続くようだと
再び上昇の動きもありそう。
ドル円は112円40銭がターゲット。昨年の高値である同水準を超えると
115円手前までは目立ったポイントがない。
114円台半ばを意識する展開もありうる。
米株高でのドル買い円売りと新型コロナウイルス関連での円売りが絡み合っての上昇という印象
当面は流れ的には上方向か。
【本日の戦略】押し目買いか
さすがに112円台を買うのは勇気がという流れ。
下がったところでの買いを狙いたい。
相場に過熱感が見られず
材料が出てこないと大きな調整を狙いにくい。
デイトレは早めの買い。スウィングも111円台後半での買い下がりが中心か。
ストップが難しいが111円40銭割れが一つのポイント。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/20 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 111.37 1.0805 120.35
高値 112.23 1.0821 121.40
安値 111.11 1.0778 120.10
終値 112.10 1.0785 120.92
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《2/20 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23479.15 +78.45
DOW 29219.98 -128.05
S&P 3373.23 -12.92
Nasdaq 9750.97 -66.22
FTSE 7436.64 -20.38
DAX 13664.00 -125.00
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《2/20 木曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=53.78(+0.49 +0.92%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1620.50(+8.70 +0.54%)
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《2/20 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
雇用統計(1月)09:30
結果 1.35万人
予想 1.00万人 前回 2.87万人(2.89万人から修正)(雇用者数)
結果 5.3%
予想 5.2% 前回 5.1%(失業率)
【ユーロ圏】
ドイツGFK消費者信頼感(3月)16:00
結果 9.8
予想 9.8 前回 9.9
ドイツ生産者物価指数(1月)16:00
結果 0.8%
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
結果 0.2%
予想 -0.4% 前回 -0.2%(前年比)
消費者信頼感指数(速報値)(2月)00:00
結果 -6.6
予想 -8.2 前回 -8.1
【香港】
消費者物価指数(1月)17:30
結果 1.4%
予想 3.1% 前回 2.9%(前年比)
【英国】
小売売上高(1月)18:30
結果 0.9%
予想 0.7% 前回 -0.5%(-0.6%から修正)(前月比)
結果 0.8%
予想 0.6% 前回 0.9%(前年比)
【米国】
新規失業保険申請件数(02/09 – 02/15)22:30
結果 21.0万件
予想 21.0万件 前回 20.6万件(20.5万件から修正)(前週比)
フィラデルフィア連銀景況指数(2月)22:30
結果 36.7
予想 11.0 前回 17.0
景気先行指数(1月)00:00
結果 0.8%
予想 0.4% 前回 -0.3%(前月比)
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)
原油 +41.5万(4億4288万)
ガソリン -197.1万(2億5908万)
留出油 -63.5万(1億4059万)
(クッシング地区)
原油 -13.3万(3824万)
*()は在庫総量
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《2/20 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【中国】
*1年プライムレート
結果 4.05%(予想 4.05% 前回 4.15%)
5年プライムレート
結果 4.75%(予想 4.75% 前回 4.80%)
【新型コロナウイルス関連】
*中国国家衛生健康委員会
19日に中国国内での死者は114人増え、計2118人。
感染者は新たに394人増え、中国国内での感染者は計7万4576人。
*中国湖北省衛生健康委員会
19日に新たに感染者349件を確認。
ガイドライン最新版で「臨床診断」を削除。
疑い症例、確認症例としてのみ患者を分類する。
*クルーズ船乗客の2名が新型コロナウイルスにより死亡。
【日本】
*内閣府月例経済報告
景気の総括判断を据え置き、「緩やかな回復」維持。
輸入は「このところ弱含んでいる」に下方修正。
新型肺炎の内外経済に与える影響に十分注意が必要。
*内閣府見通し、日本のGDPは中国経済の1%低下で0.5兆円減に。
※OECD試算に基づいたもの
上記の結果には、インバウンドの減少やサプライチェーンを通じた影響等は含まれない。
【ユーロ圏】
*デギンドスECB副総裁
ユーロ圏の成長は引き続き域内経済の強さに支えられている。
ECBは金融政策の副作用に注意を払っている。
*ECB議事録(1月23日開催分)
経済データは前向きだが、成長は緩やか。
モデルによると成長の安定化が示されているが、潜在水準を下回る。
製造業は底入れも、サービスの鈍化が終わったかどうかは不明確。
コアインフレ指標が緩やかに上向いていることを歓迎。
データの解釈で過大な楽観は排除しなければならない。
英国の食い違いは従来の想定よりも広範に及ぶ見込み。
経済が安定化する兆しがみられる。
金融政策の戦略見直しはいかなる政策行動をも制限しない。
賃金は上昇しているが、インフレへの波及は遅い。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
消費者物価指数(1月)8:30
予想 0.7% 前回 0.8%(前年比)
予想 0.8% 前回 0.7%(生鮮食品コア・前年比)
全産業活動指数(12月)13:30
予想 0.3% 前回 0.9%(前月比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・速報値(2月)17:30
予想 44.8 前回 45.3
ドイツ非製造業PMI・速報値(2月)17:30
予想 53.9 前回 54.2
ユーロ圏製造業PMI・速報値(2月)18:00
予想 47.4 前回 47.9
ユーロ圏非製造業PMI・速報値(2月)18:00
予想 52.3 前回 52.5
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(1月)19:00
予想 -1.0% 前回 -1.0% 前月比)
予想 1.4% 前回 1.4%(前年比)
予想 1.1% 前回 1.1%(コア・前年比)
【英国】
公共部門ネット負債(1月)18:30
予想 -120億ポンド 前回 40億ポンド
CIPS製造業PMI(2月)18:30
予想 49.7 前回 50.0
CIPS非製造業PMI(2月)18:30
予想 53.4 前回 53.9
【カナダ】
小売売上高(12月)22:30
予想 0.1% 前回 0.9%(前月比)
予想 0.4% 前回 0.2%(自動車除く・前月比)
【米国】
中古住宅販売件数(1月)22日0:00
予想 544万件 前回 554万件
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員