ややリスク警戒も値幅限定的
ややリスク警戒も値幅限定的
ユーロ安の流れ継続、欧州景気の鈍化懸念など重石
【東京市場】ユーロの頭重い
ドル円は109円台後半でもみ合った。昨日の海外市場で109円62銭まで値を落としたドル円は、少し戻して109円80銭前後で朝の取引をスタート。110円手前の重さを意識して、朝方はやや軟調地合いも、109円73銭までと下値はしっかりで、その後中国株の堅調な動きなどに支えらえてややドル買い円売りの動きが優勢となり、109円91銭まで。とはいえ110円手前は依然重く値幅は限定的に。
昨日1.08台前半まで値を落としたユーロドルは東京市場でも頭の重い展開となり1.0827を付ける動き。この後のドイツ第4四半期GDPなどへの警戒感が重石となった。ユーロ円も119円を割り込んで118円87銭を付けている。
昨日ジャビド財務相の辞任を受けて買いが入ったポンドは1.30台半ばを付けるなどしっかりの展開が続いた。財政出動への期待感がポンドを支える格好に。
【ロンドン市場】欧州通貨は調整
昨日の海外市場でジャビド財務相の辞任を受けて上昇したポンドはやや軟調。
景況感の悪化もあり売りが目立つユーロには少し買戻しと、若干調整の動きに。
注目の独第4四半期GDPは予想を下回ったがマイナス圏までは落ち込まず。
同第1四半期のマイナス成長が懸念される中で、第4四半期までマイナスに落ち込んでいた場合
リセッションに陥る可能性が懸念されていたが、そこまでは落ち込まず、とはいえ数字は弱いということで
反応が限定的に。
ドル円は109円台後半でもみ合いが続く展開に。
【NY市場】月曜日が米国の休場で様子見が続く
ドル円は17日月曜日がプレジデントデーで休場となることもあり、
調整ムードが強い展開となった。
朝方の米小売売上高は、全体の数字は予想通りも
GDP算出に利用される自動車、ガソリン、建材、食料を除いたコア部分が予想外に前月比変わらずとさえない数字になったことで
若干のドル売りが入る場面も値幅は限定的に。
ドル円はこれまでのレンジの中での推移が続いた。
【本日の見通し】新型コロナウイルスへの警戒感は続く
ドル円は109円台後半を中心とした推移か。
新型コロナウイルスへの警戒感が継続しており、110円台での積極的な取引には慎重。
また、今日は米国がプレジデントデーで休場となっており
参加者が少ない分、様子見ムードが広がる展開に。
先週金曜日の米小売売上高はいまいちさえない数字も
これまでの一連の米指標の強さからくる米景気への期待感を崩すほどの弱さではなく
下がったところではドル買いが入る展開か。
先週売りが目立ったユーロは、安値警戒感もあるが頭の重い展開に。
今週発表されるZEW景況感やPMIなどを確認したいところ。
【本日の戦略】押し目買い
新型コロナウイルス警戒もあり頭の重い展開が続くが
下がったところでの買い意欲も健在。
新型コロナウイルスに関してはある程度の深刻な状況を織り込みつつあるだけに
期待感は上方向か。
先週末の米小売りはいまいちとはいえ、米景気の基調的な強さへの期待感は継続。
ドル円は109円台半ばからの買いを意識したいところ。
新型コロナウイルス警戒が続く中ストップロスを確実に。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/14 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.82 1.0841 119.06
高値 109.91 1.0861 119.23
安値 109.70 1.0827 118.87
終値 109.78 1.0831 118.95
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《2/14 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23687.59 -140.14
DOW 29398.08 -25.23
S&P 3380.16 ー6.22
Nasdaq 9731.18 ー19.21
FTSE 7409.13 -42.90
DAX 13744.21 -1.22
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《2/14 金曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=52.05(+0.63 +1.23%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1586.40(+7.60 +0.48%)
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《2/14 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
第3次産業活動指数(12月)13:30
結果 -0.2%
予想 0.1% 前回 1.3%(前月比)
【インド】
卸売物価指数(1月)15:30
結果 3.10%
予想 3.00% 前回 2.59%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツGDP・速報値(第4四半期)16:00
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 0.2%(0.1%から修正)(前期比)
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 0.6%(0.5%から修正)(前年比)
ユーロ圏GDP・改定値(第4四半期)19:00
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.1%(前期比)
結果 0.9%
予想 1.0% 前回 1.0%(前年比)
ユーロ圏貿易収支(12月)19:00
結果 222億ユーロ
予想 193億ユーロ 前回 191億ユーロ(192億ユーロから修正)(季調済)
結果 231億ユーロ
予想 N/A 前回 207億ユーロ(季調前)
【米国】
小売売上高(1月)22:30
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.2%(0.3%から修正)(前月比)
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.6%(0.7%から修正)(コア・前月比)
輸入物価指数(1月)22:30
結果 0.0%
予想 -0.2% 前回 0.2%(0.3%から修正)(前月比)
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.5%(前年比)
鉱工業生産指数(1月)23:15
結果 -0.3%
予想 -0.2% 前回 -0.4%(-0.3%から修正)
設備稼働率(1月)23:15
結果 76.8%
予想 76.8% 前回 77.1%(77.0%から修正)
企業在庫(12月)0:00
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 -0.2%(前月比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(2月)0:00
結果 100.9
予想 99.5 前回 99.8
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《2/14 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*加藤厚労相
新型コロナウイルス、国内で流行蔓延している状態ではないという従来の見解を変更する根拠ない。
*雨宮日銀副総裁
日本の金融リテラシーは徐々に向上しつつあるものの、国際的にみると必ずしも高い水準とは言えない。
日本の金融リテラシーを一段と向上させるためには、金融教育が鍵を握る。
日本国民の投資姿勢は、依然として保守的。
【米国】
*ウィリアムズNY連銀総裁
基本的な見通しはとってもいいね(pretty darn good)
ただ、中国経済や世界経済の成長見通しにはリスク。
今年の米国の成長は2.25%前後、インフレ率は目標の2%に達する
コロナウイルスの問題は多くのリスク。
【米中関係】
*米中通商協議第一弾合意が発効。両国は輸入品の一部に対する関税率を引き下げた。
*メスター・クリーブランド連銀総裁
米経済の基調は非常に良好。
米個人消費は堅調持続。企業は弱い。
企業は年後半に回復を予想。
ウイルス感染は新たなリスク。第1四半期の中国経済は低迷を見込む。
自身の見通しにウイルス感染のリスクはあるが、まだ、具体化していない。
第1段階の米中合意の効果は見込むのは時期尚早。
政策は好位置にあり、インフレは低い。
インフレは2020年終盤もしはくは2021にかけて2%に上昇。
【新型コロナウイルス関連】
*中国国家衛生健康委員会
13日に死者は121人増え、中国本土での死者は計1380人。
湖北省での感染者は新たに5090人増え、感染者は中国本土で計6万3851人。
【英国】
*カーニー英中銀総裁
新型ウイルスで政策対応が必要になれば、行動するつもり。
ブレグジットに関する不透明感は幾分、後退している。
ブレグジットが影響力を持っていることはデータに明示されている。
【ユーロ圏】
*独経済省
新型ウイルスの感染拡大で海外からのリスクが増大している。
貿易相手国中国での新型ウイルス拡大が経済に与える影響を予測することは、現時点では不可能。
製造業は引き続き弱いが、センチメントの改善で今後数か月の安定化を示唆。
ドイツ経済は依然として弱い期間を経験することに。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
GDP・1次速報値(第4四半期)8:50
予想 -1.0% 前回 0.4%(前期比)
予想 -3.8% 前回 1.8%(前年比)
GDPデフレータ・1次速報値(第4四半期)8:50
予想 1.1% 前回 0.6%(前年比)
鉱工業生産・確報値(12月)13:30
予想 N/A 前回 1.3%(前月比)
予想 N/A 前回 -3.0%(前年比)
【英国】
ライトムーブ住宅価格(2月)9:01
予想 N/A 前回 2.3%(前月比)
予想 N/A 前回 2.7%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員