弱い英小売指標受けてポンドが下落、欧州株高も総じて円高に=ロンドン為替概況
弱い英小売指標受けてポンドが下落、欧州株高も総じて円高に=ロンドン為替概況
17日のロンドン市場では、ポンドが激しく上下動した。英小売売上高の発表を控えて買われたあと、弱い結果を受けて反落、安値を広げている。ポンドドルは発表前に1.31台乗せ、ポンド円は144.50近辺まで買われたが、発表後は1.3050割れ、143.60近辺まで下落している。短期金融市場での次回英中銀会合での利下げについて約75%の織り込みが進んでいる。前日は60%程度だった。ドル円は110円台前半で上昇一服。ユーロ円は122円台後半から前半へ、ユーロドルは1.1140近辺から1.1110台へと小安い。欧州株は前日の米株高を受けて買われているが、リスク選好の円安にはなっていない。ポンド相場をにらむ展開になっている。
ドル円は110円台前半での取引。東京市場で110.29レベルの高値をつけたあとは、上値重く推移している。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移しているが、ドル円はポンド円の下落や米債利回りの低下などで軟調。110.10割れ水準へとじり安の動き。
ユーロドルは1.11台前半での取引。1.1130-40レベルでの揉み合いを下放れており、1.1110近辺へと軟化している。ユーロ円は122.80レベルが重く、取引中盤にかけて122.30台へと下押しされている。欧州株は堅調に推移しているが、ポンド安の動きがユーロ売りにも波及した形になっている。12月ユーロ圏消費者物価指数・確報値は前年比+1.3%と速報値から変わらず。ユーロ独自の材料は特段みられていない。
ポンドドルは1.30台前半での取引。12月英小売売上高の発表を控えて、ポンド買いが先行した。ポンドドルは1.3070-80レベルから一時1.3118レベルまで上昇、1月9日以来の高値水準となった。ポンド円は144.20-30レベルから144.53レベルまで上昇、昨年12月13日以来の高値水準となった。事前予想での小売の改善見通しに、ショートカバーの動きが加わっていたようだ。しかし、発表後は流れが反転。前月比-0.6%、前年比0.9%と事前予想を大きく下回った。年末商戦の時期で11-12月と連続のマイナスはネガティブなインパクトが大きかったようだ。ポンドドルは一気に反落し、安値を1.3036レベル、ポンド円は143.53レベルまで広げている。発表前の上げを帳消しにして、一段安に。1月30日の英中銀会合での利下げ観測が高まっている。短期金融市場では、前日の60%程度から一気に75%近辺まで利下げ確率が上昇している。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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