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今週のまとめ12月30日から1月3日の週

為替 

 30日からの週は、波乱の展開だった。年末年始でドル相場の方向性がドル安からドル高へと転換した。加えて、週末には中東情勢の緊迫化でリスク回避の円買い・ドル買いの動きが広がっている。30・31日は年末のドル売りフローが優勢だった。しかし、1日の世界的な休場を開けると、新年にはドル買い方向に転じた。材料というよりは実需フローやそれに伴う調整の動きだった。3日の日本時間午前に、トランプ米大統領の指示でイラン革命軍の司令官が空爆により殺害された、と報じられると、一気にリスク回避の動きが強まった。ドル円は昨年末の109円台での揉み合いを下放れて一時107円台まで下落。ユーロ円は122円台乗せから一気に120円台へと下落。ユーロドルは1.11台から1.12台で上に往って来いとなった。昨年末にはトランプ米大統領が15日に米中通商合意第一弾の署名を行うと表明したあとに米株が最高値を更新するなど、リスク選好ムードがみられたが、当のトランプ大統領の指示で再び中東情勢が緊迫化しており、市場は振り回された格好となっている。新たな材料がでてきたことで、来週の相場にも影響が残りそうだ。


(30日)
 東京市場は、ドル売りが優勢。前週末海外市場の流れを受けて、ドル円は109円台半ばで取引を開始した。その後一時109.07レベルまで下押しされている。日経平均が寄り付きから売られ、下げ幅を100円超とするなど軟調。リスク警戒感の円買いがみられた。年頭のフラッシュクラッシュ相場への警戒感も指摘された。さらに、米中通商合意期待からの欧州通貨買いドル売りの流れなどが、ドル全面安に寄与した。ユーロドルは前週末の1.11台後半から、東京市場では1.1210台まで一段高に。ポンドドルも1.31台を回復して、高値を1.3125レベルに広げた。

 ロンドン市場は、ドル安水準での揉み合い。序盤にはやや調整の動きでドル高方向を試したが、限定的な動きにとどまった。その後は再びドルの上値が重くなっている。ただ、この時間帯には特段の目新しい材料はでておらず、基本的には揉み合い商状。週明けの欧州株式市場は軟調に推移。一方、米債利回りは上昇。相反する動きに為替相場は動きにくくなっている。月末を控えたフローも目立っていない。ドル円は109円台前半、ユーロドルは1.12近辺、ポンドドルは1.31台を挟む水準で推移している。欧州株が軟調なことで、クロス円はやや円高推移となっているが、値動きは限定的。

 NY市場は、全体的にドル売りが優勢。ドル円は109円台を割り込み、108.80近辺まで下落。米株式市場がIT・ハイテク株中心に利益確定売りが強まり、ドル円は下支えを失った。年末で市場参加者は少ない。薄商いの中、為替市場はドル売りが優勢となっている。特にドル売りを誘発する材料は見当たらないが、米中貿易協議が来週にも第1段階の合意で署名しそうな運びとなる中、中国経済の回復期待を材料に、欧州通貨や資源国通貨への見直し買いが出ているようだ。ユーロドルは8月以来の1.12台を一時回復。ポンドドルも買い戻しが続き、きょうは一時1.3150近辺まで上昇した。

(31日)
 東京市場は、大晦日のため休場。大晦日で東京不在のアジア市場、ドル円のレンジは108.63から108.89と小幅。前日NYクローズ水準を高値として、東京午前の時間帯に108.60台まで下落、その後は安値付近での揉み合いに。12月の中国製造業PMIは50.2と事前予想50.1を上回り、前回11月と同水準を維持した。一方、同非製造業PMIは53.5と、事前予想54.2および前回11月の54.4を下回った。ドル円の下落中での発表だった。上海総合指数は前日終値を挟む上下動となっており、指標に対する反応は目立たなかった。

 ロンドン市場は、ドル売り圧力が継続している。特にポンドドルの上昇が目立っており、1.31近辺から1.3170台へと一本調子で上昇している。これに比べるとユーロドルは1.12ちょうど付近から1.1220近辺までと小幅の上昇にとどまっている。月末関連のフローでは、ドル売りのほかに、ユーロ売り・ポンド買いも入っているようだ。ドル円は東京不在のアジア市場で108.90近辺から108.60台まで下落していたが、ロンドン市場では108.50付近へと一段安になっている。欧州株が小安いことでクロス円はやや上値が重いが、ポンド円は例外で142.50近辺から一時143円台乗せまで反発した。大晦日で、独フランクフルト市場が休場となっており、積極的な取引は手控えられている。

 NY市場でも、ドル売りが優勢。ドル円は108円台半ばと、ロンドン午前からの安値付近で推移。ユーロドルは1.1240近辺まで上昇し、8月以来の高値水準となっている。ポンドドルは1.32台後半へと上昇しており、英総選挙後の下落の6割程度を戻す格好となった。いずれも200日移動平均線などのテクニカル水準を意識した動きや、年末特有のフローが主導していた。米中貿易に関してトランプ大統領の発言が伝わっており、「1月15日に米中貿易協議の第1段階の合意に署名。その後に第2段階の協議で北京に行く」と述べていた。一方で、米株は調整売りに押されており、反応はハッキリしなかった。

(1日)
 東京市場は、元旦のため休場。

 ロンドン市場は、ニューイヤーデーのため休場。

 NY市場は、ニューイヤーデーのため休場。

(2日)
 東京市場は正月休みで休場。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。新年度相場がスタートしており、株式市場は総じて堅調。米中通商協議をめぐる楽観的な見方や中国人民銀行の預金準備率引き下げなどを背景に、リスク選好ムードとなっている。米株先物も時間外取引で上昇しており、再び最高値を付けに行くムードもある。そのなかで、為替市場ではドル円が108円台後半へと上昇、ロンドン序盤はユーロ円などクロス円も買われた。しかし、次第にユーロドルやポンドドルの上値が重くなり、ドル高方向へと動いている。ユーロドルは1.12台割れ、ポンドドルは1.32台割れとなっている。クロス円も序盤の上昇を消している。昨年末は実需などのフロー主導でドル安の流れとなっていたが、年末相場の終了とともに、ドル安圧力が解消しているようだ。この日発表された英独ユーロ圏などの製造業PMI確報値は速報値からやや改善も、水準自体が50割れと低迷しており、ユーロもポンドも反応しにくかった。

 NY市場では、ドル円が下落。一時108.20近辺まで値を落とした。新年の為替市場は、昨年末までのドル売りの流れが一服し、ドル円も買い戻しが見られていた。米株も上昇して始まり、ドル円にとっては追い風の環境ではあるものの上値が重い。そのなかで、米国債利回りが下げておりドル円を圧迫した。ただ、売りが一巡すると株高に下値を支えられ、108円台半ばまで戻している。ユーロドルは戻り売りが優勢で、1.1160台まで下落。ポンドドルは1.3120近辺まで下落した。

(3日)
 東京市場は正月休みで休場。

 ロンドン市場は、中東情勢の緊迫化でリスク回避の動きが広がった。日本時間午前に、トランプ米大統領の指示でイラン革命軍の司令官が空爆により殺害されたと報じられたことが背景。イラン最高指導者や革命防衛隊は米国に報復すると表明している。米株先物や欧州株が下落、原油相場は急騰。為替市場では円買いとドル買いの動きが強まっている。ドル円は一時108円台割れとなり、昨年11月1日以来の安値水準となっている。ユーロ円は120円台前半へ、ユーロドルは1.11台半ばを下回った。総じてクロス円が下落している。英住宅価格やドイツ雇用統計が発表されたが、リスク回避の流れのなかでは材料視されなかった。

 NY市場は再びドル売りが強まり、ドル円は一時108円を再度割り込んだ。この日発表になった12月のISM製造業景気指数が予想外の弱さだったことがドル売りを強めた模様。ただ、108円を割り込むと買いも出るようで、終盤になって108円台に戻している。午後にFOMC議事録が発表されたが、反応は限定的。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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