今週のまとめ9月9日から9月13日の週

為替 

 9日からの週は、来月再開が決まった米中閣僚級通商協議への期待感などから、ドル高円安が優勢な展開となった。106円台後半で週の取引を始めたドル円は、トランプ大統領が「中国が協議を望んでいる」との発言や、香港英字紙の「通商協議合意に向けて米国産農産物の輸入拡大で合意」との報道などが支えとなってドル高円安が進行。さらに中国政府が米国産品16品目について対抗関税の対象から除外、米国政府は10月1日から予定していた3000億ドル相当の中国製品に対する関税率上昇を15日に延期など、両国政府による来月に向けた関係改善の動きなども好感され、108円台まで上値を伸ばす展開が見られた。
 ユーロはECB理事会前後で大きく動く展開に。12日の理事会を前に追加緩和への期待感や独経済研究所によるドイツ経済成長見通しの引き下げなどを受けて1.10台半ばから1.10割れへ値を落とし、1.10台前半に戻して結果発表。事前見通し通りの中銀預金金利の引き下げに加え、見通しが分かれていた量的緩和について11月から月額200億ユーロで開始が決定、金利の階層化、フォワードガイダンスの変更なども見られ、一気に1.0920台まで。対円では119円ちょうど近辺から117円50銭台までの急落を見せた。もっともすぐに買い戻しが強まり、逆に発表前の水準を超えてのユーロ高に。独・仏などの量的緩和反対姿勢が報じられ、今後の債券買い入れ額拡大などの緩和強化が難しくなったとの思惑がユーロの買い戻しを誘った面も。


(9日)
 東京市場で、ドル円は一時107円台に乗せた。週明けは106円台後半で取引を開始、株高などリスク警戒感が後退する流れとなり、ドル円、クロス円の買いが先行した。ドル円は前週末につけた107円台を再び回復した。しかし、中国の労働権利団体チャイナ・レーバー・ウオッチが、アップルとフォックスコンの中国工場で労働基準法違反との報告書を発表すると、106.76近辺まで反落した。ポンドドルは1.22台後半での推移。ジョンソン英首相が議会によるEU離脱延長交渉義務付けの動きにも関わらず、10月末の離脱を模索との報道もあり、若干頭の重い動きも、値幅は限定的。ユーロドルは1.10台前半で模様眺め。週後半のECB理事会を控えて動きにくいムード。

 ロンドン市場は、ドル円が107円台に上昇した。欧州株は前週末水準を維持しての揉み合い。NY原油先物は前週末比小幅高での推移。米10年債利回りは1.60%近辺へと上昇。リスク警戒感は後退している。ドル円は一時107.08レベルまで買われた。また、この日はポンドが堅調。序盤は売りが先行した。週末にラッド英雇用・年金相が辞任したことが政治不透明感を広げた。しかし、ジョンソン英首相とバラッカー・アイルランド首相が新政権発足後初の会談に臨み、双方とも代替案について柔軟な姿勢が示されたことが市場に評価されたもよう。また、英経済指標が良好だったこともポンド買いを誘った。月次GDPがプラス成長に、鉱工業生産なども予想を上回った。ポンドドルは1.23台後半へ、ポンド円は132円台半ばへと上伸した。ユーロドルはECB理事会を12日に控えて様子見ムード。1.10台前半での上下動にとどまっている。ユーロ円は118円近辺から118円台前半での小動き。

 NY市場で、ドル円は107円台を維持した。米中貿易協議が来月に再開されることが決まり、市場のムードは改善している。株式市場も底堅く推移し、米国債利回りも上昇する中、ドル円も買い戻しが続いている状況。中国が金融緩和を打ち出すなど刺激策に動いていることもサポートしていたようだ。ユーロドルは1.1065近辺まで一時上昇。1.10台をしっかりと維持しており、リバウンド相場となっている。12日のECB理事会を控えて、市場ではすでに大規模な追加緩和を織り込んでおり、事前にユーロ売り持ちの調整が出ているとの見方もあった。ポンドドルはきょうもショートカバーが強まる、1.23台後半まで上昇する場面があった。NY時間に入ってパーコウ英下院議長が辞任を表明し、戻り売りに押される場面が見られたものの下げは限定的。ポンド円は132円台半ばまで一時上昇。先週の英議会の動きで、合意なき離脱への警戒感が大きく後退したことがサポート。ロンドン午前に発表された英月次GDPがプラス成長だたこともポンド買い材料だった。

(10日)
 東京市場で、ドル円はしっかりとした展開。一時107.50近辺まで買われた。米中協議再開への期待感からのリスク選好の動きが継続した。朝方に、トランプ大統領が「中国は協議を望んでいる、来週にも協議する」と発言した。株式市場は堅調にスタートし、円安の動きを支援したが、午後には調整も入り、ドル円も揉み合いとなった。中国の生産者物価指数が弱めだったことで、中国株が軟化する場面があった。豪ドルは小幅安。中国物価統計の弱さに加えて、NAB企業景況感も弱く、売りに反応した。欧州通貨は狭いレンジで推移。全般に値動きは限定的だった。

 ロンドン市場は、方向性を見出しにくい展開。ポンドやユーロは上値を試したが、前日高値を抜け切れず反落。一方、下押しも限定的な動き。ポンドドルは1.23台、ユーロドルは1.10台での上下動。クロス円も高値を伸ばしたあとは反落。ポンド円は132円台、ユーロ円は118円台半ばで神経質に振れた。きょうから英議会が休会に入っており、新しい動きはでていない。5-7月の英ILO雇用統計では失業率が3.8%に再び低下し、最低水準に並んだ。賃金上昇は前年比4%の高い伸びを示した。発表前には売りが優勢だったポンド相場を下げ渋らせている。12日にECB理事会を控えており、模様眺めムードが漂った。欧州株はやや調整売りに押された。ドル円は107.25レベルまで下げたあとは再び上昇。関係筋が来週の日銀決定会合での追加緩和の議論の可能性を示唆したことで、一時107.49レベルと東京高値に迫る場面があった。マイナス金利深堀など、今後の話題として市場に取り上げられそうだ。

 NY市場で、ドル円はリバウンド相場を堅持した。米株が利益確定売りに押される場面があり、序盤の取引でドル円は107.20近辺まで軟化したが大台割れには至らず。香港英字紙が、「中国は米国と貿易協議で米農産品の購入拡大で合意の見込み」だと伝えたことをきっかけに米株が下げ渋るとドル円も107円台半ばまで戻した。米債利回りの上昇が続き、ドル円の下支えとなった。ユーロドルは1.10台半ばでの推移。12日のECB理事会については、マイナス金利の下げ幅、QE再開の規模や再開そのものの有無など不透明感が高く、発表までは積極的な売買は手控えられている。ポンドドルは1.23台半ばでの推移。英議会は休会に入ったが、合意なき離脱への警戒感が大きく後退しておりポンドを支えている。

(11日)
 東京市場では、ドル高・円安が進んだ。ドル円は107.85近辺まで上昇、前日海外市場からの流れが継続している。中国が米国産穀物の輸入拡大を検討との報道や、中国共産党機関紙人民日報系列の環球時報編集長が「中国は貿易戦争の影響緩和に向けた措置を開始へ」とツイートしたことなどがドル買い円売りにつながった。日経平均が続伸するなどリスク警戒感の後退も目立った。明日のECB理事会を控えるユーロドルは1.10台半ば近辺で揉み合いが続いた。ユーロ円は118.70近辺から119.10台まで買われた。ドル円と同様に米中通商協議進展を期待したリスク選好での円売りが支えだった。豪ドルは対ドルでも堅調で0.68台後半で高値を伸ばした。

 ロンドン市場は、ユーロが軟調に推移。あすのECB理事会を控えて、追加緩和期待が広がっているもよう。米株先物と比べて欧州株は堅調に推移している。あすはECBスタッフ経済見通しが発表されるが、それに先立ってドイツIfWとDIWの2経済研究所が今年および来年のドイツGDP成長見通しを引き下げた。レーン・フィンランド中銀総裁は、外需の落ち込みが労働市場に影響与えている、と指摘。これまで複数のECB高官から、9月理事会でのQE再開は時期尚早との見方があったが、直前になって追加緩和期待が高まっている様子もうかがえる。ユーロドルは1.10台半ばから1.10ちょうど付近へと下落、ユーロ円は欧州株上昇も119円割れから118円台半ばへと下落。ポンド相場は揉み合いに終始しており、対ドル1.23台半ば、対円133円台前半から133円割れ水準での推移。ドル円は上昇一服も、107.60台までの限定的な下げにとどまっている。

 NY市場で、ドル円は107円台後半に高止まり。リスクへの懸念が和らいでおりドル円の買い戻しが継続。きょうは一時107.85円近辺まで上昇。米株は利益確定売りも出ているものの堅調な推移が続いており、米国債利回りも上昇していることがドル円をサポート。中国が16種類の米製品を追加報復関税から免除したことで市場では米中貿易協議への期待が高まっているもよう。ユーロドルは戻り売りに押されて一時1.10台を割り込んだが、終盤には1.10台を回復した。明日のECB理事会を前にした短期筋のポジション調整に押されたようだ。ポンドドルも上値が重いが、1.23台前半での揉み合いに終始した。英議会が5週間の休会に入っており、特段の好悪材料はでてこない。

(12日)
 東京市場で、ドル円は108円台に上昇。米中関係の改善期待が強く、ドル円は8月1日以来の108円台乗せとなった。米国が「10月1日から予定されていた関税率引き上げについて、10月15日まで延期する」と発表したことが背景。中国政府関係者も、中国が米中協議前に善意のしるしとして米国産農産物輸入拡大を検討、と応じている。クロス円も堅調。ユーロ円は119円台に乗せると、119.12レベルまで上昇。ポンド円は133円台、豪ドル円は74円台を回復した。豪ドルは対ドルでも買われている。一方、ユーロドルやポンドドルは狭いレンジでの揉み合いが続いた。
 
 ロンドン市場は、ECB理事会の結果待ちの状況。ユーロにやや買い戻しが入ったほか、ドル円は上値重く推移している。米債利回りが小幅低下したことで、ドル売り圧力が掛かった面があった。欧州株が序盤の上昇を消しており、円買いの動きもみられた。ただ、値動きはいずれも限定的。ドル円は108円台を維持できず107円台に軟化しているが、下値も107.80近辺でサポートされている。ユーロドルは1.1010近辺から1.1030近辺まで小幅上昇。ユーロ円は118.80-119.00レベルでの揉み合い。ポンド相場も手掛かりな難で小動き。ポンドドルは1.2320-40レベルでの揉み合い。ポンド円は一時132.80近辺まで軟化したが、足元では133円近辺に下げ渋り。

 NY市場でドル円は108円前半の100日線付近に上昇。序盤は本日のECB理事会を受けてユーロが急速に下落し、ユーロ円に連れ安する格好でドル円も107円台半ばまで下落していた。しかし、ユーロが急速に買い戻される中、ドル円も買い戻しの動きが見られ108円台に戻した。この日も市場では米中貿易問題への楽観的ムードが広がっている。市場では来月に予定されている米中貿易協議で何らかの進展が見られるのではとの期待に繋がっている模様。ドル円は底堅い動きを続け100日線付近に上昇した。

(13日)
 東京市場で、ドル円は一時108円26銭と直近高値を更新。8月1日以来のドル高円安水準を付ける動きとなった。週末を前に午後は利益確定の動きがやや優勢で108円10銭近辺まで。もっとも、108円の大台を維持したしっかりとした動き。クロス円も基本的には軒並みの円安。昨日のECB理事会で利下げ及び量的緩和再開などの緩和措置を取ったことでいったん下げた後、大きく買い戻されたユーロは、対円で119円80銭近辺まで。高値からは調整も119円60銭台と119円台後半推移に。元高の動きが広がる展開でオフショア人民元は昨日のドル安元高水準を割り込み7.0440近辺まで。なお中国は祝日でオンショアは休場。

 ロンドン市場で、ドル円は108円ちょうど前後での推移。東京午後の調整ムードが継続し、108円割れまで値を落としたが、107円台では買いが入る展開に。ロンドン市場で目立ったのは欧州通貨買いドル売りの動き。昨日のECB理事会でいったん値を落とした後、力強いユーロ買いが入ったことで、ユーロ買いに安心感が出ていた。またポンドは議会が休会でブレグジットがらみの新しい材料が出にくい中、合意なき離脱懸念が和らぎ、ユーロ買いの動きにつれて買いが入る格好に。もっとも、朝方の買いが収まると、その後は調整が入る場面が見られるなど、一方向の動きにはならず。週末を前にユーロドルの1.11超えなどでは買いに慎重な動きも。

 NY市場、ドル円は108.10近辺に来ている100日線での神経質な値動きに終始している。一旦上値に慎重になっている様子もうかがえる一方、本日は利益確定売りで107円台に伸び悩む場面が見られたものの下押しもなくリバウンド相場の流れは堅持している。

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執筆者 : MINKABU PRESS

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