ファーウェイ問題に関心=外為どっとコム総研 神田卓也
ファーウェイ問題に関心
16日のドル/円は106円台前半で小幅な値動きながらも底堅く推移し、終値ベースで約0.3%上昇した。世界的規模での株安・長期金利低下の流れがこの日は一服。中国が内需の刺激に向けて、可処分所得を引き上げる対策を打ち出すと表明した事や、一部報道で独政府は財政均衡ルールを撤廃して債務拡大に動く用意があると伝わった事で市場心理が改善した。
本日は、中国通信機器大手ファーウェイへの輸出禁止措置を巡る米国の動きに注目が集まりそうだ。禁輸措置の猶予期間は本日で終了する予定だが、ロイターは16日に米政権が猶予期間をさらに90日延長する方針だと報じた。しかし、今朝方にはトランプ米大統領が「ファーウェイとは安保上の理由で取引したくない」と述べた事も伝わっている。仮に、禁輸措置が発動される(猶予期間延長なし)になれば、市場はリスク・オフに逆戻りしかねないだけに要注目となろう。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。