FOMCの結果待ちの雰囲気 ドル円は108円台半ばでの上下動=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円は月末ということもありロンドンフィキシングにかけて上下動が見られたものの、基本的には108円台半ばでの上下動が続いている。午後のFOMCの結果待ちの雰囲気が強まっており方向感がない。
上海で開かれていた米中閣僚級協議が終了し、中国の新華社通信によると、双方は米農産品の輸入について議論。経済および貿易問題について率直で効率的かつ建設的な意見交換を行ったと伝えている。次回は9月に米国で行うという。ホワイトハウスもこの報道の類似のコメントを発表していた。
特に波乱もなく、ひとまずポジティブな印象もあるが、市場の反応は限定的でドル円も大きな反応は見られなかった。
FOMCについては、0.25%の利下げが確実視されている。市場も織り込み済みといったところで、声明やパウエルFRB議長の会見に注目している。前日発表のPCEコアデフレータが予想を下回るなどインフレの低下傾向は続いているものの、6月FOMC以降に発表になっている主要経済指標は強い内容が相次いでいる。
足元の経済指標だけから見れば、追加利下げは正当化されないものの、世界経済や不透明な貿易問題の影響を背景に追加利下げにオープンな姿勢を強調してくるのではとも見られている。また、FOMCメンバーの中で2名は反対票を投じてくるとの予想も出ていた。
0.5%の大幅利下げへの期待も一部にはあるものの、その可能性はかなり低いと思われる。これまでもFRBは、政策発表当日にサプライズを引き起こさないように事前に市場に織り込ませる傾向にある。トランプ大統領は要請したようだが、0.5%利下げはない可能性が高いと思われる。
上値レジスタンスとしては109円ちょうど水準、下値サポートとしては21日線が控える108.25円水準が意識される。
ユーロドルはNY時間に入り売りが強まり、1.11ドル台前半に値を落としている。ロンドン時間の朝方に売りが強まったが、その後は1.11ドル台半ばでの推移が続いていた。NY時間に入ってポンドの買い戻しが強まっており、対ポンドでの売りが波及しているものと見られる。
今週は底堅さも見られていたが上値は重い。この日は第2四半期のGDPと消費者物価指数(HICP)が発表になっていたが、GDPは予想範囲内だったものの、HICPは予想を下回る内容となった。GDPも予想通りだったとは言え、第1四半期からは伸びは鈍化している。ECBは先日の理事会で追加緩和姿勢を強調していたが、それを裏付ける内容ではあった。
市場は9月と12月の2回に0.1%づつの利下げを見込んでいるが、一部からは9月に金利階層化も含めて0.2%の利下げを実施してくるとの見方も出ている。
1.11ドルちょうどに接近すると押し目買いも出るようで、強いサポートとなっている。FOMC後の動き次第とは思われるが、1.11ドル割れを試してくるか注目。
ポンドの買い戻しが目立っており、ポンドドルは一時1.2250ドル近辺まで上昇した。NY時間に入って買い戻しが強まっており、日本時間0時のロンドンフィキシングにかけてポンド買いが強まった。特に買い材料はなく、合意なき離脱への警戒感は依然として根強いものの、月末でFOMCを控えていることもあり、ショートポジションの調整が出ているものと思われる。ジョンソン英首相の誕生後からポンドが急速に売られ過熱感も高まっていたことから、ショートカバーを入れ易かった面もありそうだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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