次回FOМCで金利は据え置き?
注目される半期に一度の議会証言

先週末の米雇用統計は失業率こそ若干上昇となりましたが、相変わらず非農業部門就業者数はしっかりとした数字となり、今月末に予定されているFOМCでの0.50%の利下げ期待は大きく後退(消滅)。依然として、予防的措置としての0.25%の利下げ見通しは維持されていますが、ここに来て、「据え置き」との声も聞かれ始めるようになってきています。その辺りを見越し、債券市場では利回り低下を調整する動きが顕著となってきています。
そんな中、今晩半期に一度のパウエル議長による議会証言が行われます(明日も上院で予定されていますが、今晩の確認で十分)。「市場の期待ほどハト派寄りの発言をしないのでは?」といった懸念が急浮上、市場は議長の証言を固唾を呑んで見守っている状況です。浮かれ気味であった株式市場は上値が抑えられ、ドル円相場は金利上昇を背景にドル買戻し優勢の展開となっています。いずれにしても今晩の議長証言を確認、その内容がハトorタカで相場が振幅するのは避けられそうにありません。仮にタカ派となった場合、金利上昇のドル買いvs株価下落の円買いの動きになることが予想されますが、ドル円のレートについては値幅こそ出るものの、方向感の醸成は困難なものになるのではないかと考えております。
日銀短観でも示されていた通り、輸出サイドの円転は109円台前半をイメージしているものと思われ、ドル円のレンジについては107~109円のレンジを想定しております。
マネースクエア シニアコンサルタント 米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!