ECBのレーン理事、AIブームが金融環境を引き締めている影響を考慮する必要
ECB委員のレーン・チーフエコノミストは、AIブームが金融環境を引き締めている影響を、ECBは考慮する必要があるとの見解を示した。レーン委員はダブリンで行った講演でAIを巡る熱狂が世界の金融市場や借り入れコストに与える影響について言及。「長期的な生産性向上への期待が世界的な長期金利の上昇に影響している可能性がある」と指摘した。
「特に欧州のAIブームの規模は世界全体と同程度ではないため、ユーロ圏の債券市場への波及効果によって生じる長期金利の上昇は、ユーロ圏にとって金融環境の実質的な引き締めを意味する」と説明した。その上で「これはECBが適切な金融政策スタンスを判断するうえで考慮すべき重要な要因だ」と述べた。
今回の発言は、世界的な経済環境が変化する中、借り入れコストが経済成長をどの程度促進、あるいは抑制しているのかを正確に見極めることが、政策当局者にとって難しくなっている現状を改めて浮き彫りにした。
ECB理事らは、インフレの急上昇への対応を迫られる中、追加利上げについては12月まで待つ方向に傾いている。
レーン理事はまた、AI関連投資の熱狂が反転した場合のリスクについても言及。「AI関連企業の株価評価が高水準にあることや、世界的にAI関連の債券発行が急増していることは、AI技術の進歩に対する期待が一時的にでも後退したり、投資家心理が悪化したりした場合、マクロ経済や金融システムの安定にリスクをもたらす」と警告した。
執筆者 : MINKABU PRESS
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