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為替相場まとめ9月7日から9月11日の週

為替 

 7日からの週は、円キャリー取引の巻き戻し、当局牽制、原油高と米金利上昇という複数の力が交錯し、ドル円は156円台から152円台まで大きく振れる不安定な週となった。週初の東京は円買い優勢で上値が重く、ロンドンでは流動性の薄さを背景にストップを巻き込み154円割れまで急落。NY休場で調整が進まないまま翌8日も円買いが先行し、152.89円まで下落したが、ロンドンでは過熱感から反発し154円台を回復した。NYでは日銀タカ派化と米金利上昇が綱引きとなり方向感は乏しかった。9日はベッセント米財務長官の円安牽制発言がロンドン勢の円買いを誘発し再び152円台へ沈む一方、過度な下落に対する買い戻しも入り荒い展開。NYでは米財務省の国債買い戻しが失望を誘いドル高となったが、154円台では戻り売りが強かった。10日は材料に一喜一憂しつつ153円台中心のもみ合い。ロンドン・NYでは米PPI上振れや原油100ドル台乗せ、米10年債利回り4.86%台上昇などがドルを押し上げ154円台へ反発した。全体として、円高の「スピード」が最大テーマとなり、オプション市場では150円割れヘッジが拡大。円キャリーに対する見直しとボラティリティ上昇がみられた。週末の米CPIはほぼ予想通りも、今月の米FOMCでの利上げ期待が高まったこともあり、直後のドル買いとなった。しかしすぐに売りが入り、153円台前半を付けるなど、ドル高円安への警戒感が見られた。

(7日)
 東京市場で、ドル円は156.00円前後で取引を開始し、序盤に一時156.28円まで買われる場面が見られた。しかし、先週後半からの円買いの流れや円キャリー取引の巻き戻しに対する強い警戒感が市場全体に根強く残る中、仲値に向けた実需の円買いなども加わり、155.81円まで押し戻された。昼前には156.20円台へと持ち直し、午後にかけては155円台後半から156円台前半の狭いレンジで揉み合う展開となった。節目とされる155.00円付近でのトライには慎重な姿勢が窺えたものの、上値の重さが目立つ一日となった。ロンドン勢の本格参加が近づく15時過ぎには再び円買い圧力が高まり、155.55円までドル安円高が進んだ。クロス円も同様に、円売りポジションの調整意識が上値を抑え、伸び悩む推移となった。

 ロンドン市場では、東京市場で上値を抑えられた流れを引き継ぎ、序盤から大幅に円買いが強まる展開となった。特段の新たな材料がない中、レイバーデーによるNY休場を控えて流動性が乏しく、取引が薄い状態の中でストップ注文を巻き込みながら売りが売りを呼ぶ形となった。ドル円は155円台後半から節目をあっさりと割り込み、一時154.06円まで急落して今年2月以来のドル安円高水準を記録した。オプション関連のストップ発動や未ヘッジポジションの解消が背景と見られ、当局の介入報道がない自律的な円買いであった。その後は154円台後半まで小幅に持ち直したものの戻りは鈍く、ユーロ円が179円台前半、ポンド円が208円台後半まで急落するなど、クロス円を含めて全面的な円高主導の相場となった。

 NY市場は、レイバーデーの祝日のため休場。

(8日)
 東京市場は、円買いが先行した。前日に154.00円近辺まで下落したドル円は朝方に154.30円台で取引をスタートしたものの、円キャリー取引の巻き戻し懸念から朝から円買いが一段と加速した。昨日下値を支えた154.00円台の買い注文をあっさりとこなすと、下落の勢いは止まらず、昼前には153.00円の節目も割り込んで152.89円まで急落した。朝方の高値から1円50銭近くも急激にドル安・円高が進んだことで行き過ぎ感が意識され、その後は反発に転じたものの、戻りの勢いは限定的で153.60円前後までにとどまった。しかし、ロンドン勢の参加が近づくにつれて買い戻しが強まり153.90円台まで戻した。ユーロ円が177.86円、ポンド円が207.10円まで連れ安となるなど、クロス円も揃って下値を模索する荒い展開となった。

 ロンドン市場では、ドル円に買い戻しの動きが継続し、154円台を回復した。先週末の米雇用統計後の高値から短期間で約4円も下落したことで市場には過熱感が広がり、反発の動きが強まった格好。また、中東情勢の緊迫化に伴いNY原油先物が上昇し、日本の交易条件悪化が警戒されたことも円売り・ドル買いの要因となった。さらに米10年債利回りが4.8%台を回復する過程でドル高・円安が強まり、東京朝の高値を超えて154.42円まで高値を伸ばした。クロス円も円高に対する調整が強まり、ユーロ円は東京休止前の177.86円から179.29円へ、ポンド円も207.10円から209円台を回復するなど、過度な円買いに対する修正が進む展開となった。

 NY市場では、ドル円が154円台まで買い戻される展開となったものの、上値の重さが意識された。FRB関係者のタカ派発言や強い米雇用統計といったドル買い要因が存在する一方で、日銀審議委員からの連続利上げを示唆するタカ派発言を受けて日米金利差の縮小観測が強まり、円が買われやすい状況が続いている。市場では円高の水準以上に変化のスピードが警戒されており、過去のような急激なポジション解消が世界的な市場混乱を引き起こす懸念が燻っている。一方、ユーロドルは200日移動平均線を下回る1.16ドル台での推移が続き、ポンドドルも21日移動平均線手前で伸び悩んだ。急落していたユーロ円やポンド円はNY時間にかけて買い戻され、東京時間の下げをほぼ解消する動きを見せた。


(9日)
 東京市場では、円売り先行も再び円買いに押された。ドル円が前日の海外市場で154.42円まで反発したものの、NY午後にベッセント米財務長官による投機的な円売りを牽制する発言を受けて下落に転じ、朝方は154.01円でスタートした。円キャリー取引の巻き戻し警戒から午前中に一時153.25円まで売られ、その後153.80円台へ買い戻されるなど神経質な上下動を見せた。しかし戻り一服後は再びドル売り円買いの流れとなり、ロンドン勢が参加し始める15時過ぎに下落が加速し、朝の安値を更新して昨日に続き152円台へと落ち込んだ。ベッセント長官の発言を意識したロンドン勢の参入が影響したと見られる。クロス円も午後に円買いが強まり、ユーロ円は178.00円台、ポンド円は207.40円まで下落し、全体として円買い優勢の展開が続いた。

 ロンドン市場では、ドル円が振幅。序盤に東京朝の安値を割り込んで売りが加速し、152.95円まで下落した。ベッセント米財務長官の円安牽制発言が警戒される一方、7月末の介入後の戻り高値から1週間で7円50銭も下落したことで過熱感が意識され、前日安値を下回らなかったことで即座に買い戻しが入った。一時153.70円台まで持ち直したものの、その後再び153.20円台へ押し戻されるなど荒い値動きとなった。今年前半に下値を支えた152.00円手前では押し目買いの意識が強いものの、戻りでは売りが出やすい地合いが続いている。また原油高による日本の交易条件悪化を意識した円売りも交錯した。ユーロ円は178円台前半から半ば、ポンド円は207円台から208円台の間で激しく上下動する展開となった。

 NY市場では、米財務省が拡充された米国債買い戻しプログラムの第1弾として長期債を最大60億ドル購入すると発表した。買戻額は当初上限の3倍となったが、市場のさらに大規模な買い戻し期待には届かず、失望感からドル高が進み、ドル円は一時153円台後半まで浮上した。しかし、154円台の戻り売り圧力は強く上値を抑えられた。日銀の金融政策変化や米当局の円安牽制姿勢を受け、オプション市場では年末にかけて150円割り込みを見込むヘッジ取引が広がっている。一方、短期間での急激な円高の持続性に懐疑的な見方も出ており、下値の堅さも意識されている。ユーロドルは1.16ドル台、ポンドドルは1.35ドル台半ばでもみ合い、クロス円も下値を探る展開となった。


(10日)
 東京市場では、ドル円が153円台での推移に終始した。今週急進した円高に対する過熱感から153円割れでは押し目買いが入る一方、154円前後では戻り売りが重く、方向感を欠く展開となった。朝方に153.70円台まで上昇した後、日銀の増審議委員が講演でインフレ加速時の急速な利上げリスクや円安への留意に触れるタカ派発言を行うと、153.29円まで急落した。その後、米国での給付金支給発言を受けて米長期金利が4.84%台へ上昇したことで153.60円近くまで買い戻された。午後に再び153.30円まで押し戻されたものの、増委員の午後の記者会見で利上げペースは都度議論とやや軟化したことで153.68円前後まで反発するなど、材料に一喜一憂する落ち着かない推移が続いた。

 ロンドン市場では、ドル買いが優勢の展開となった。NY原油先物価格が再び97ドル台へ上昇し、米10年債利回りが一時4.865%と2023年以来の高水準を更新したことがドルを押し上げた。この後に予定されたECB理事会や米PPIの発表を控えて見極めムードが広がる中、ドル円は東京時間の153円台でのもみ合いを上抜け、154.18円付近まで高値を更新した。ユーロドルは1.1620ドル台へ押し戻され、ポンドドルも1.3530ドル台へ下落するなど、主要通貨に対してドル買いが進んだ。一方、ドル円の上昇に伴ってクロス円も円安方向に傾斜し、ユーロ円は東京朝の安値178.42円から179.22円へ、ポンド円も207.77円から208.72円まで買われる展開となった。

 NY市場では、米生産者物価指数(PPI)が強い結果となったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ期待が一段と高まり、ドル高が強まった。ドル円は一時154.65円付近まで上値を伸ばし、4日ぶりに反発した。NY原油先物が100ドルの節目を上抜けるなどインフレ警戒感が強まる中、今週の安値152.89円からの反発を見せたものの、テクニカル面では21日移動平均線を大きく下回っており下落トレンド自体は継続している。一方、ECB理事会では予想通り0.25%の利上げが決定され、ラガルド総裁のタカ派的な姿勢を受けてユーロドルは1.15ドル台から1.16ドル台へ買い戻された。円高が一服したことでユーロ円は179円台半ば、ポンド円は208円台後半へ上昇した。

(11日)
 東京市場で、ドル円は154円を割り込み153.96円まで弱含んだ。午後の原油安で日本の貿易収支悪化観測が後退し、円買いが入った。ユーロ円は178.80円、ポンド円は208.10円まで軟化した。一方、NZドル円はNZ中銀のタカ派姿勢を背景に89.99円まで上昇した。今晩の米CPIが焦点となるなかで、ロンドン早朝にかけては円買いは一服した。米CPIに関しては、結果次第で来週FOMCの利上げ観測が強まる可能性がある。米長期金利は4.944%とやや低下しつつも5%が視野に入り、債務残高の増加などを背景に国債需給の緊張が続いている。

 ロンドン市場では円高とドル高が優勢。米CPI発表を控え調整主導の展開となった。この日は原油が反落し、前日の急伸の反動に加え、IEA月報の需要見通し引き下げやホルムズ協定に関する報道が売りを促した。ただ、フーシ派をめぐる不安も残り、原油安の継続性は楽観できない。ドル円は東京午後に154円割れまで下落後の戻りが鈍く、足元では再び153円台へ安値を広げている。原油安が日本の交易条件悪化観測を緩和し、円買い戻しにつながった面もある。クロス円も軟調で、ユーロ円は178円台半ば、ポンド円は208円台割れへと弱含んだ。欧州通貨は対ドルでも上値が重く、ユーロドルは1.16台割れ、ポンドドルは1.35ドル付近で推移している。ユーロはフランス財政の悪化が警戒され、売り圧力が続いている。

 NY市場は米CPIがほぼ予想通りとなったが、結果発表直後にドル高が一気に進み、ドル円は154.00円前後での推移から154.48円を付けた。短期金利市場での9月の利上げ期待が発表前の70%前後から90%台まで急上昇し、ドル買いを誘った。コア項目の伸びが好感されたことに加え、前日の米生産者物価指数(PPI)と合わせて米物価統計が堅調な推移を見せたことで、もともとの利上げ期待が後押しされた面もあるとみられる。しかし、ドル円は高値からすぐに反落。発表前の水準を割り込むと売りが加速し、153.24円まで急落した。利上げ期待自体は90%台を維持できなかったものの、86%とCPI発表前よりもかなり高い水準で推移した。サウジアラビアがフーシ派からの攻撃を受けて東西パイプラインの停止を発表したことで、米国のインフレ警戒に伴う利上げ期待が高まった側面も見られた。こうした米利上げ期待を受け、安値からは153円台後半まで反発したものの、週末を前に様子見ムードが広がったこともあり、ドルの買い戻しは限定的なものにとどまった。153.80円手前で上値を抑えられると、夕方にかけて153.50円前後に下げる展開となった。ユーロドルは、米CPI発表直後のドル高により1.1590ドル台から1.1569ドルまで下落した。しかしドル円同様にドル高は長続きせず、すぐに反発すると1.1610ドル台をつけた。その後はやや売りが入り、1.1600ドルを挟んだ推移となった。ユーロ円はじりじりと下値を切り下げる展開が続いた後、ドル円の反落に押し出される形で177.90円まで下落。その後178.40円手前まで反発したものの、引けにかけて再びやや円高に振れた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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