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【来週の注目材料】米FOMCは利下げ濃厚、議長会見とSEPに注目

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【来週の注目材料】米FOMCは利下げ濃厚、議長会見とSEPに注目

 12月9日、10日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。3会合連続での利下げがほぼ確実視されています。昨年の3度の利下げの後、今年に入って政策金利の据え置きを続けてきた米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月に利下げを再開。9月の利下げ再開時点では10月、12月までの連続利下げを織り込む動きとなっていました。しかし、10月のFOMC後のパウエルFRB議長会見において、「12月のFOMCでの追加利下げは既定路線ではない。そう呼ぶ状況からは程遠い」との発言があり、市場の期待先行を牽制しました。これを受けて、12月の利下げ期待は60%程度まで低下。さらに11月19日に公表された10月FOMCの議事要旨で多くのメンバーが12月利下げに消極的な姿勢を示したことで、利下げ期待がさらに後退。一時31%前後となり、据え置き期待が利下げ期待を大きく超えるところまで期待が後退しました。しかし、米雇用市場の厳しい状況、反発傾向にあった物価情勢の一服期待などが利下げ期待回復に繋がり、11月後半には90%を超えるところまで期待が拡大しています。10%前後の据え置き期待が残るなど、完全に利下げで見通しが一致しているわけではありませんが、大勢の見方として利下げを織り込む形での相場展開となっています。

 サプライズな据え置きとなればドルが急騰するとみられますが、大方の見通し通り利下げとなった場合、注目はパウエル議長の会見と3カ月に一度示されるFOMCメンバーの経済見通し(SEP)となります。

 議長は前回のFOMCでの会見でかなり慎重な姿勢を示しました。今回も同様に今後の金融政策はあくまで経済状況次第との姿勢を崩さないとみられます。

 SEPは年末時点での政策金利水準見通しをドットで示したドットプロットが最も注目されます。前回9月のドットプロットは2026年末時点で3.25-3.50%が予想の中央値となっていました。6月の3.50-3.75%からは下がっていますが、今回利下げを行うと政策金利は3.50-3.75%に到達します。前回の見通し通りだと来年は1回の利下げに留まることになります。

 市場は来年複数回の利下げを期待しています。金利先物市場動向から見た政策金利水準見通しを示すCMEFedWatchツールでは、2026年末時点での政策金利について、3.00-3.25%が最有力の見通しとなっています。この場合、来年2回の利下げとなります。また来年3回以上利下げするという見通しも50%近くと、2回以下とほぼ拮抗しています。こうした市場の利下げ期待に対して、FOMCメンバーがどのような予想を示してくるのかが注目されます。前回は現行の金利水準である3.75-4.00%の予想が2名、今回の利下げで到達するであろう3.50-3.75%が6名いました。来年1度も利下げしないという可能性はそれほど高くないとみられることから、複数のメンバーによる下方修正が見込まれるところとなっています。なお、市場は来年6月で任期満了を迎えるパウエル議長の後任に、利下げにより積極的な議長が就任するとの見方の下に来年末時点の政策金利見通しを示しています。その分、今回のドットプロットでは市場予想ほどの下方修正がない可能性もあります。

 経済成長や物価の見通しも要チェックです。9月のSEPではGDP成長率見通しを1.8%、物価見通しをPCE価格指数、コアPCE価格指数ともに前年比+2.6%という予想を示していました。ともに6月から上方修正されています。物価見通しについては、2025年末時点での3.0%からは鈍化の見通しですが、インフレターゲットである2.0%までは鈍化しないという見通しです。同水準がさらに上方修正されるようだと、利下げのハードルになるとの見方からドル買いが入る可能性があります。

 なお9日には豪準備銀行(中央銀行)の政策金利発表もあります。こちらは据え置きがほぼ完全に織り込まれています。注目は声明などでの今後の姿勢です。豪中銀は来年に入っても当面据え置きとの見方が広がっていましたが、ここにきての物価上昇、雇用の堅調さなどから、来年の比較的早い段階で利上げに回るのではとの見方が出てきています。金利市場では来年上半期の利上げを67%と約三分の二ほど織り込んでいます。こうした期待がさらに強まるようだと豪ドル買いになります。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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