【これからの見通し】トランプ演説を無難に通過、金融市場は落ち着くも、実体経済への影響はどうか
【これからの見通し】トランプ演説を無難に通過、金融市場は落ち着くも、実体経済への影響はどうか
昨日のトランプ大統領就任100日記念演説は無難に通過している。自動車部品に関する緩和措置を示すなど、さらなる強硬発言は封印されていた。FRBについては不満を示したが、パウエル議長解任については触れられず。米小売り大手との会談で関税に対する不満をぶつけられるなど、米国内企業からの圧力も影響したもよう。トランプ政権に対する支持率が低下している。映像をみると、ミシガン州の演説参加者の熱意も後ろの方の席ではそれほど高まっていなかったようだ。
足元では主要企業の決算発表がたけなわとなっているが、そのなかで関税政策のために今後の事業計画が立たないとの声が広がっている。きょうはメルセデスやステランティスなど欧州自動車大手が今後の見通し発表を手控えている。トランプ関税は世界中に不透明感を振りまく状況となっている。今後数四半期にわたって、米国を含んだ世界の実体経済の状況を丹念にチエックしてゆく必要がありそうだ。
そのようななかで、本日は月末および明日のメーデーを控えて経済指標発表が集中する。ドイツ実質GDP(速報値)(2025年 第1四半期)ユーロ圏実質GDP(速報値)(2025年 第1四半期)実質GDP(速報値)(2025年 第1四半期)など最新のGDP指標がメインとなる。米GDPについては前期比年率の数字が注目されるが、市場予想中央値は先週末時点での+0.4%から足元では-0.2%に変化している。予想自体のコンセンサスが得られない状況。ここにも関税に関する不透明感の高さが示されているようだ。
その他の指標は、ドイツ雇用統計(4月)、ドイツ消費者物価指数(速報)(4月)、米ADP雇用者数(4月)、米雇用コスト指数(2025年 第1四半期)、米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(4月)、米個人所得・支出(3月)、米PCE価格指数(3月)、カナダ実質GDP(2月)などに注目される。
発言イベント関連では、ミュラー・エストニア中銀総裁、ロンバルデッリ英中銀副総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、マクルーフ・アイルランド中銀総裁などの講演が予定されている。カナダ中銀議事録(4月16日開催分)が公表される。米週間石油在庫統計が発表される。赤沢再生相が再び米国を訪問(5月2日まで)する。
米主要企業決算は、キャタピラー、クアルコム、イーベイ、マイクロソフト、メタプラットフォームズ、ロビンフッド、アフラックなどかなり多彩だ。今後の業績見通しを示すことができるのかどうか。市場心理にも影響を与えそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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