【中銀チェック】米FOMCは据え置き見通しも、声明、会見、ドットプロットなどに注目
【中銀チェック】米FOMCは据え置き見通しも、声明、会見、ドットプロットなどに注目
昨日の日銀に続いて、今日は同じく18日、19日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)です。
米FOMCも日銀同様に政策金利は現状維持見込みです。米連邦準備制度理事会(FRB)はアフターコロナの物価上昇で5.25-5.50%まで引き上げた政策金利について、昨年9月に0.5%引き下げ、その後11月、12月と0.25%づつの利下げを実施し、4.25-4.50%としました。前回1月は据え置きに回っており、今回も据え置きが見込まれています。
据え置きとなった前回会合での声明では、米国の物価動向についての表現を、12月までの、インフレ率は2%の物価目標に向けて進展しているが、依然としていくぶん高止まりしているというものから、インフレ率は依然としてやや高めであるに変更。ややタカ派な印象を与える変更となりました。ただ市場の行き過ぎた反応を警戒してか、議長は前回会合後の会見の冒頭で、インフレ率は依然としてやや高止まりも、2%という長期的な目標にかなり近づいていると発言しています。また、政策スタンスが以前よりも大幅に緩和され、経済も依然として堅調となっており、政策を急いで調整する必要がないと、1月に据え置きとなった理由を説明しています。
今月発表された2月の米消費者物価指数前年比は総合、コア共に市場予想値及び前回値を下回る伸びにとどまっており、利下げのハードルを下げています。ただ、トランプ大統領による関税強化政策の影響が出てくるのはこれからと見られており、警戒感もあって下げにくい面もあります。
今回のFOMCでも声明や会見での表現に要注意です。
なお、今回は声明と会見に加えてFOMCメンバーによる経済見通し(SEP:Summary of Economic Projections)が発表されます。12月のFOMCで発表された前回のSEPでは、年末時点での政策金利見通しを示すドットプロットでの中央値が3.75-4.00%となり、2025年中2回の利下げ見通しが示されました。その前9月のドットプロットでは3.25-3.50%が中央値でしたので0.5%の変更です。
現在米金利先物市場では12月末時点での政策金利を3.50-3.75%と予想しておりドットプロットよりもややハト派です。こうした市場の見通しに沿った変化があるかどうかがポイントとなります。金利市場の見通し通り今後の利下げ期待が強まるようだと、ドル売りとなります。ドットプロットの結果だけでなく、前回PCE価格指数、コアPCE共に2025年末時点で前年比2.5%との予想となった物価見通しの引き下げなどがあると。米国の早期利下げ期待につながります。日銀の会合と合わせドル売り円買いとなる可能性があり、145円台トライも十分に視野に入ってきます。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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