【これからの見通し】自画自賛のトランプ演説には反応薄、次第に米ファンダメンタルズに視線移るか
【これからの見通し】自画自賛のトランプ演説には反応薄、次第に米ファンダメンタルズに視線移るか
東京午前にトランプ米大統領の施政方針演説が実施された。これまでの民主党政権と比較しながら大統領就任以降の短期間での自身の成果をアピールする場となっていた。先日の会談で口論の応酬となったゼレンスキー・ウクライナ大統領からは停戦交渉と鉱物協定への意欲を示す書簡が届いたとしており、ウクライナ関連の悪材料はひとまず一服している。
きょうは上海株や香港株が大幅高となっている。全人代が開催されており、消費回復を中心に景気支援策が打ち出されることが期待されている。GDP成長目標を約5%と掲げており、米中貿易戦争のなかでは強気の数字が設定された。香港ハンセン指数は2%超高となっている。
総じてリスク動向が落ち着くなかで、為替相場の値動きも安定している。ドル円は149円台後半から150円台乗せでの推移。ユーロドルは1.06台前半、ポンドドルは1.27台後半での小幅振幅にとどまっている。市場は次の材料探しとなってきているようだ。
そのなかで週後半は米雇用統計をにらんだ展開が想定される。きょう発表される米経済指標は、MBA住宅ローン申請指数(02/22 - 02/28)、ADP雇用者数(2月)、非製造業PMI・確報値(2月)、製造業新規受注(1月)、ISM非製造業景気指数(2月)、耐久財受注(確報値)(1月)など。ADP雇用者数は14.0万人増と前回の18.3万人増から伸び悩む見込み。ISM非製造業景気指数は52.5と前回の52.8からやや低下する見込み。雇用に関しても51.6と前回の52.3からは低下する見込みとなっている。ただ、50を上回る点では、落ち込みは限定的と言えそうだ。
その他の経済指標は、スイス消費者物価指数(CPI)(2月)、フランス鉱工業生産指数(1月)、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国などの非製造業PMI(確報値)(2月)、南アフリカBER企業信頼感指数(2025年 第1四半期)、カナダ労働生産性(2024年 第4四半期)などの発表が予定されている。
発言イベント関連では、 英中銀のベイリー総裁、ピル氏、テイラー委員、グリーン委員などが財務委員会に出席する。防衛費増額の影響について言及があるのか注目される。トランプ米大統領がカナダとメキシコに対する関税を引き下げる可能性について報じられており、この点についての続報が待たれる。米週間石油在庫統計、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などが発表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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