ユーロ圏の賃金上昇 見方は様々=NY為替
きょうの為替市場はこの日発表の米経済指標が先週に引き続き弱い内容を示したことから、ドル売りの反応が見られている。ユーロドルはNY時間に入って前日に引き続き1.05ドル台を一時回復したものの、その水準を維持できていない。ECBの追加利下げ観測や、ユーロ圏の景気の先行きに対する不安もある中、ユーロドルはいまのところ1.05ドル台を駆け上がるモメンタムまではないようだ。
ECBが本日10-12月のユーロ圏の妥結賃金を公表していたが、前年比4.12%の上昇となった。伸びは7-9月の5.43%からは鈍化した。これを受けてECBの追加利下げの環境が整ったとの指摘もある一方、この上昇によりインフレの高止まりが続く可能性があるとの指摘も出ている。エコノミストの推計によると、今回のユーロ圏の賃金上昇により、今年のインフレは2%目標を上回る状態が続く見通しだと述べている。
企業が高賃金を消費者に転嫁しているため、消費者物価も特に重要なサービス部門で上昇を続ける可能性が高いという。市場では3月のECBの利下げはほぼ確実視しているものの、それ以降は未知数との指摘も少なくない。
EUR/USD 1.0494 EUR/JPY 156.44 EUR/GBP 0.8296
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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