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ドル円、158円付近まで上昇 強気な展開が続く=NY為替概況

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ドル円、158円付近まで上昇 強気な展開が続く=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は堅調な展開が続き、158円付近に上昇。クリスマス休暇明けではあるが、欧州勢は休みの中、市場は年末に向けたポジション調整が中心といった雰囲気ではあった。

 ただ、注目されていた前日の植田総裁の講演も、春闘の状況確認、1月20日に就任するトランプ次期米大統領の経済政策の影響を見極める必要性を指摘していた。先日の日銀決定会合後のハト派的な雰囲気を踏襲しており、円安のフォローとなっている。

 ドル円の上値に強気になっている背景には、日米金利差の縮小により長い時間がかかるとの見方が広がっている点がある。一部のファンド勢は160-165円のレンジへの円安も想定し始めているようだ。

 ドル円は上げが一服しているものの、下げる気配はなく、直近高値圏での推移が続いている。チャート的にはもう一段の上値追いの可能性を高める動きではあるが、160円に近づくにつれて売り圧力も強まりそうだ。

 欧州勢が休みの中、ユーロドルは1.04ドル付近での膠着した値動きが続いた。大半の投資家および市場関係者は来年もユーロは軟調と予想している。ECBとFRBの金融政策の格差拡大、そしてユーロ圏の景気低迷がユーロを押し下げるとしている。

 第4四半期のユーロは急落し、9月末以降のユーロドルは約7%下落し、四半期としては約10年ぶりの大幅下落となる見通し。いわゆるトランプ・トレードに始まり、最近ではそれがFRBのタカ派利下げへのシフトに引き継がれている。

 ECBの利下げサイクル終了までにはまだしばらく時間がかかりそうで、短期金融市場では2025年に政策金利は現行の3.00%から1.75%まで低下する可能性も織り込まれている。行き過ぎとの声も出ているが、市場は悲観的なようだ。

 ポンドドルは上値の重い展開となった。1.25ドル割れを試す展開も見られたものの、きょうのところは1.25ドル台は維持している。1.25ドルの水準は強いサポートとしてなお機能しているようだ。

 ECBほどではないが、ここに来て英中銀の利下げが予想以上に実施されるのではとの見方が浮上しており、ポンドの上値を圧迫している。ただ、インフレがサービス業中心に依然として高水準で推移していることから、英中銀の利下げのハードルは高いとの見方も一方であるようだ。直近の英消費者物価指数(CPI)は前年比で2.6%と2カ月連続で上昇が加速している。

 しかし、エコノミストからは、神経質になるようなものではないとの指摘が出ている。英インフレは2025年にかけて再び鈍化すると予想しているようだ。直近の英CPIの上昇加速の大半は前年のベース効果によるもので、基調インフレは鈍化の兆しを見せているという。基調が落ち着いている限り、春以降には鈍化が見られるはずだと述べている。これにより英中銀は来年前半までに、金利を現在の4.75%から3.00%まで引き下げることが可能だという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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