【これからの見通し】円高・ドル安の動きで週の取引開始、米FOMCと日銀決定会合をにらんで
【これからの見通し】円高・ドル安の動きで週の取引開始、米FOMCと日銀決定会合をにらんで
週明けのマーケットでドル円は一時139円台に突入した。昨年7月以来のドル安・円高水準となった。その後は140円台に戻しているが早朝取引開始時の140.93近辺の高値水準には遠く及ばない。
今週後半に発表される米FOMCや日銀会合をめぐる不透明感や思惑がドル円やクロス円を押し下げ、ドル売り圧力にもつながっている。特に米FOMCについては、先週後半にFEDウォッチャーが米当局が利下げ幅について「25bpか50bpかを決めかねている」と発信したことが一石を投じた。それまでは次第に25bp利下げで市場観測が固まってきていたが、一気に不透明感が高まっている。足元のCMEフェドウォッチでは約6割が50bp、4割が25bpの利下げ観測となっている。
円高圧力が根強い。FOMCの大幅利下げ観測が再燃するなかで、米中などの景気動向への不安感が前面に押し出されてきているようだ。いわゆるリスク回避の円高の面がある。週末の中国経済指標はいずれも予想を下回る結果となっていた。ただ、足元では株安の動きは落ち着いてきており、日米金利差縮小の面も強い。今週末の日銀決定会合では追加利上げは見送られるとの見方が優勢。しかし、先週のタカハト両面の日銀審議委員がいずれも、予測通りの進展をみせれは、段階的に金融緩和の度合いを調整するとの追加利上げ路線を示していた。
このあとの海外市場では、ドル円が一時140円台割れとなったことで、短期的なストップ狙いの動きは落ち着く可能性がある。ただ、戻りの鈍さが確認されるようだと、再び下値トライとなろう。年初来安値を更新中とあって、流れは下向きに傾斜している。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スイス生産者輸入価格(8月)、ユーロ圏貿易収支(7月)、ニューヨーク連銀製造業景気指数(9月)、カナダ製造業売上高(7月)など。
発言イベント関連では、パネッタ伊中銀総裁がイベントに出席、デギンドスECB副総裁とレーンECBチーフ・エコノミストが講演を行う予定。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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