ドル円は下向きの流れ継続 本日も介入を実施していた可能性も=NY為替概況
ドル円は下向きの流れ継続 本日も介入を実施していた可能性も=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は下向きの流れを継続し、157円台に下落。何度か買い戻しが入ったものの、まとまった売りに上値を抑えられた。この日は米生産者物価指数(PPI)が発表になり予想を上回る内容となった。為替市場も一旦ドル買い戻しの反応が見られたものの、上値を抑えられ、今度は逆に売りを強める展開が見られた。
前日に日本の財務省が、予想を下回る米消費者物価指数(CPI)に便乗して為替介入を実施していたようだが、ドル円の下げ方を見ると、本日も実施していた可能性もありそうだ。今月末で任期を迎える神田財務官の発言が伝わっていたが、前日同様に「介入についても、レートチェックについてもコメントしない」と述べていた。
前日の米消費者物価指数(CPI)を受けて、市場はFRBの利下げ期待を高めており、その雰囲気に変化はない。市場は9月の利下げを完全に織り込んでおり、場合によっては年内3回の利下げの可能性も見出している状況。
ドル円は中期的な下値支持水準が156.50ー158.35円にあるが、現在はその水準に到達しており、下限の156.50円に向かって動いて行くか注目される。
ユーロドルは上値追いが続き、1.09ドル台に上げ幅を伸ばした。6月初めに上値を拒まれた水準でもあり、突破できれば、3月高値の1.0980ドル、そして心理的節目の1.10ドルが視野に入る。
来週18日にECB理事会が開催されるが、今回は据え置きが確実視されている。しかし、市場では今回の理事会は主に9月の追加利下げへの道筋をつけるものと予想されている。ECBは6月に利下げを開始し、さらなる措置についてはデータ次第を強調していた。一部からは、四半期ごとの利下げを見込む市場価格は理に適っており、ターミナルレート(最終到達点)は2.50%に近い水準になるとの見方も出ている。
ポンドドルは1.30ドル台をうかがう展開が見られた。上値抵抗も観測されていた1.29ドル台の売りを吸収し、ストップも巻き込んだ模様。前日発表の5月の月次GDPが予想を上回り、英中銀委員からも比較的タカ派な見解が示される中、市場では英中銀による8月利下げ期待に黄色信号が点灯している。
ただ一部からは、英中銀は8月に利下げを強行するとの見方も出ているが、実際8月に利下げに踏み切れば、ポンドの上昇は短命に終わる可能性も指摘されている。その点では来週の英インフレ統計と小売売上高は注目される。英中銀は成長よりもインフレを重視しており、英消費者物価指数(CPI)がインフレの落ち着きを示すようであれば、8月利下げは十分に有り得るという。その場合、英中銀は年内に計0.75%ポイントの利下げを行う可能性があり、ポンドは今後数カ月の間に輝きを失うと述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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