【これからの見通し】週末にかけてドル高地合いを堅持か、念のため介入警戒も
【これからの見通し】週末にかけてドル高地合いを堅持か、念のため介入警戒も
今週は米CPIの上振れをきっかけに、ドル高地合いが強まっている。昨日の米PPIは予想比まちまちではあったが、ドル高の流れに変化はみられていない。この後の海外市場でもこの流れが堅持されるのかどうかを確認したい。
材料としては経済統計では、米輸入物価指数(3月)、米輸出物価指数(3月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(4月)などの発表が予定されている。輸出入物価指数は米消費者物価指数や同生産者物価指数の発表後とあって、市場に対するインパクトは限定されるだろう。市場ではミシガン大指数とともに発表される、1年および5-10年の期待インフレ率が注目されそうだ。市場コンセンサス予想はいずれも前回と同水準。1年は+2.9%、5-10年は+2.8%となっている。予想からの乖離に市場は敏感に反応しそうだ。
発言イベント関連では、コリンズ・ボストン連銀総裁、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁などの講演や討論会参加が予定されている。今週に形成された米利下げ開始時期の後ずれ観測に影響を与えるような見方がでてくるのかがポイントとなろう。
このあとの欧州・ロンドン市場では、目立った経済統計発表は予定されていない。ECB専門家予測調査、英中銀経済予測見直しに関する報告書などで目を引く内容があるのかどうかを確認することとなろう。
また、ドル円は153円台に乗せており、152円の介入警戒水準を大幅に上回っている。政府・日銀の介入の可能性は残っており、政治的な思惑もからめて注意しておきたい。仮に介入が入ったときに慌てないよう、その時の投資行動についてそれぞれが練っておく必要はあろう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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