ドル円、一時146円台半ばまで下落 米雇用統計は雇用の落ち着き示す=NY為替序盤
きょうもドル円は売りが強まり、一時146円台半ばまで下げ幅を拡大している。先ほど発表の米雇用統計を受けてドル円は下げを加速させていた。
非農業部門雇用者数(NFP)は27.5万人増と予想以上の増加となったものの、前回値が下方修正されたことや、失業率が3.9%に悪化したこと、そして注目されていた平均時給が前月比0.1%上昇と予想を下回る上昇となったことで、雇用の落ち着きが示されていると市場は捉えているようだ。
今週はパウエルFRB議長の議会証言が行われていたが、利下げには前向きな姿勢を示していたものの、データをもう少し確認したい姿勢を強調していた。本日は米雇用統計はそのFRBのスタンスに変化を与えるほどの内容ではないものの、少なくとも年内の利下げへの期待は正当化する内容と思われる。短期金融市場では6月の利下げ開始を完全に織り込む動きが見られている。
日銀の観測報道もドル円の下げを後押ししているようだ。今年の賃金上昇加速が見込まれる中で、今月のマイナス金利解除に傾く政策委員が増えているといった報道が流れていた。来週15日に春闘の結果の初回集計が発表される予定だが、労組の賃上げ要求は平均5.85%で、30年ぶりに5%を上回りそうな気配となっている。春闘の結果が強い内容であれば、日銀は4月を待たずに。翌週にもマイナス金利解除に踏み切ることがあり得るという。
なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
8日(金)
現行付近にはなし
USD/JPY 146.91
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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