【これからの見通し】タカタの円高をウエダが火消し、きょうはISM指数など
【これからの見通し】タカタの円高をウエダが火消し、きょうはISM指数など
ドル円は150円台半ばへと再び上昇している。前日の高田日銀審議委員の「不確実性あるが2%目標の実現がようやく見通せる状況になってきた」との発言にドル円は150円台後半から149円台後半まで1円超の値幅で下落した。その後の海外市場で149.20台まで一段と売り込まれた。しかし、きょうは植田日銀総裁が「2%の物価目標の実現見通せる状況にはまだ至っていない」と慎重姿勢を示した。春闘の確認が大きなポイントと付け加えていた。ドル円相場は円安方向に振れ、昨日から下に往って来いとなっている。
昨日のNY株式市場ではナスダック指数が好調な動きをみせていた。今日の日経平均は上記の植田発言の追い風もあって4万円を試す強い値動きを示した。来週も株式動向をにらみつつ、円安圧力が継続しそうなムードになっている。ただ、その前に週末のNY株式市場動向をチェックする必要があるだろう。
この後の海外市場では比較的多くの経済指標が発表される。欧州時間には独仏ユーロ圏、英国などの製造業PMI確報値(2月)、ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(2月)、ユーロ圏失業率(1月)、英ネーションワイド住宅価格指数(2月)などが発表される。来週のECB理事会を控えて、ユーロ圏消費者物価指数はインフレ見通しに関する重要な資料となりそうだ。前年比の予想は+2.5%と前回の+2.8%から伸びが鈍化する見込み。コア前年比も+2.9%と前回の+3.3%から伸びが鈍化する見込み。市場の早期利下げ開始観測を裏付ける数字となるのか、チェックしておきたい。
NY時間には、製造業PMI確報値(2月)、ISM製造業景気指数(2月)、建設支出(1月)、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(2月)など一連の米経済指標が発表される。製造業PMIは51.5と景気判断分岐点の50を上回る予想となっている。英欧がいずれも50割れとなっていることとは対照的な状況だ。また、ISM製造業景気指数は49.5と前回の49.1から上昇する見込み。結果次第ではあるが、予想段階ではドル相場にとっての下支えとなることが想定される。
発言イベント関連では、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、ピル英中銀チーフエコノミスト、ウォラーFRB理事、ローガン・ダラス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁、クーグラーFRB理事など米金融当局者の発言機会の多さが目立っている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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