【これからの見通し】為替も株も停滞感が広がる局面、手掛かり探し
【これからの見通し】為替も株も停滞感が広がる局面、手掛かり探し
先週は世界的に株式市場が活況を呈し、主要指数が最高値を更新した。今週もその名残が残り、大きな調整は見られず高値圏での推移が続いている。ただ、きょうの日経平均はザラ場の最高値更新と買いは根強いものの、値幅は次第に限定的になってきている。米株先物は昨日の下げの後、今日も小安く推移している。
為替市場は、やや円売り圧力が優勢だが、ドル円は151円を一気に目指す動きとはなっていない。きょうは日本のCPIが予想を上回ったことが、ドル円の上値を抑えていた。それでも150円台での取引は続いており、底堅さも健在だ。
ドル相場は2月半ば以降はドル売りが優勢になっている。ただ、昨年末からのドル高の流れに調整が入る程度の値幅にとどまっている。ドル指数は200日線近辺で下げ止まっており、ここ数日は方向感に欠けている。そのなかで、戻りの鈍さが続くようだと、10+21日線のデッドクロス示現の可能性が高まり、ドル売りの流れが形成されてくる可能性も指摘されよう。
今後の手掛かりとなるのが、各国、特に米国の経済統計と主要国の金融当局者発言となろう。インフレについては低下基調が板についてきたものの、サービスや賃金などに粘着質のインフレ圧力が残っている。最新の米CPIでサプライズ的にドルが買われる場面もあった。
金融当局者は、データ依存の姿勢を取っており、転換点を探る局面にあるようだ。次のアクションは利下げとみる向きが大勢となっているが、その時期に関してはまだ確信が持てない状況。ウクライナや中東での地政学リスクが続いていることも、警戒されている。今年は米大統領選を11月に控えており、その前後には経済情勢の変化が嫌われる傾向も指摘される。その意味では、夏頃までの利下げ開始のアクションがなければ、きっかけを失う可能性があろう。
明確な経済統計結果や、大胆な当局者発言が待たれるところとなっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツGfK消費者信頼感調査(3月)、香港貿易収支(1月)、ブラジル拡大消費者物価指数(IPCA)(2月)、メキシコ貿易収支(1月)、ハンガリー中銀政策金利(2月)、米耐久財受注(速報値)(1月)、米住宅価格指数(12月および第4四半期)、米S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(12月)など。米耐久財受注がメインとなり、市場コンセンサス予想は前月比-5.0%と前回の変わらずから落ち込むことが見込まれている。ただ、輸送機器を除く前月比では予想が+0.2%と前回の+0.5%からの伸び鈍化は限定的となる見込み。
発言イベント関連では、エルダーソンECB理事、ラムスデン英中銀副総裁、バーFRB副議長などのイベントや会議、討論会などの参加が予定されている。米7年債入札(420億ドル)が実施される。米主要の決算発表がイーベイが注目されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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