リスク警戒のドル買いが広がる、中国貿易や銀行関連報道で=ロンドン為替概況
リスク警戒のドル買いが広がる、中国貿易や銀行関連報道で=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、リスク警戒のドル買いが広がっている。この日発表された7月中国貿易統計で輸出・輸入がいずれも大幅減となったことが同国の景気に対する不透明感を広げた。また、東京昼頃に「格付け会社ムーディーズがUSバンコープ、BNYメロン、ステートストリート含む米銀6行を格下げする方向で検討」、ロンドン早朝に「イタリア政府 銀行の余剰利益に対する課税を閣議決定」などと報じられた。欧州株は銀行株や資源株などが主導する形で下落している。リスク警戒が強まるなかで、米10年債利回りは4.08%付近から3.99%台へと低下。為替市場ではドル買いと円買いが優勢になっている。ドル円は東京市場で142円台半ばから143.43近辺まで買われたが、ロンドン時間には一時143円台割れとなったあと、143円台前半で揉み合っている。ユーロドルは1.1011近辺まで買われたあと、方向転換して1.0950台へと安値を広げている。ポンドドルも1.27台後半から1.2720付近へ下落、豪ドル/ドルは0.66台半ばから0.65台割れ目前まで下落。リスク回避圧力でクロス円も軟調。ユーロ円は157.50超え水準から157円台割れへ、ポンド円は182円台後半から182円ちょうど付近へ軟化。豪ドル円は93円台後半から93.10付近へと下落している。
ドル円は143円台前半での取引。東京市場では142.41近辺を安値に昼過ぎには143.43近辺まで高値を伸ばした。東京午後からロンドン朝方にかけては上昇一服となり、一時143円台を割り込んだ。ロンドン時間に入ると143円台を回復も売買が交錯している。足元では再び買われており、143.20台へと上昇。東京午前の上昇は日本の実質賃金が15カ月連続で低下したことが日銀緩和政策の長期化期待で円売りにつながっていた。ロンドン時間には欧州株安とともにリスク警戒のドル買いと円買いが交錯している。
ユーロドルは1.09台後半での取引。東京市場では下に往って来い。1.10台乗せ水準から1.0970台までの振幅。ロンドン朝方には1.1011近辺に高値を更新した。ロンドン勢の本格参加とともにドル買い圧力が強まり、1.0950台へと軟化している。ユーロ円は157.75近辺まで一時買われたあとは売りに押されており、157円台割れへ。東京午前の上げを戻す動きとなっている。対ポンドではユーロ買いが先行したが、流れは続かず振幅している。
ポンドドルは1.27台前半での取引。東京市場では1.2780台から1.2750台へと軟化。その後の反発は1.2770付近までにとどまった。ロンドン時間に入るとユーロドルとともに下落しており、安値を1.2720付近へ広げている。ポンド円は182.95近辺を高値に182円ちょうど付近へと軟化。東京午前の上げを戻している。ユーロポンドは0.8510-20付近で売買が交錯している。ユーロ買いが先行したが、流れは続かず。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。