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為替相場まとめ5月22日から5月26日の週

為替 

 22日からの週は、ドル高の流れが強まった。主要通貨のなかでは、NZドルや豪ドルなどオセアニア通貨に対するドル買いの動きが目立った。特にNZドルの下げが大きく、NZ中銀が利上げ発表とともに今後の利上げ休止を示唆ことに反応していた。豪ドルにとっては全般的に世界の株式市場が軟調だったことが響いたようだ。米国の債務上限問題が投資心理が影を落としている。一部格付け会社は米国の格付け見通し見直しを示唆した。オセアニア両通貨に次いで円が売られている。ドル円相場は連日の上昇。昨年の152円手前の高値水準にはまだ遠いものの、週後半には節目となる140円台をつけた。週明けの137円台からは約3円幅の急ピッチな上昇となっている。米GDPの上方改定など強い米経済指標と、それにともなう市場の米利上げ継続観測がドル高のドライブとなっていた。円相場にとっては、日銀の強い緩和継続姿勢も日米金利差拡大観測の再燃につながっていたようだ。日本株が人気化し、日経平均はバブル後の高値を更新した。週末は米英市場の三連休を控えて、ドル高に調整が入る場面がみられた。しかし、米PCEデフレータや米耐久財受注が上振れしたことで、再びドル買い反応が広がった。


(22日)
 東京市場は、ドルが下に往って来い。米債務上限問題への警戒感が強く、バイデン大統領はG7サミットからの帰国の飛行機内で共和党のマッカーシー議長と協議。さらに本日にも協議再開と報じられているが、政府と共和党側の主張の溝がまだ深く、合意の目途が立っていない。ドル円は朝方の138.03近辺を高値に137.50前後まで下落。ユーロドルが1.0800ドル台から1.0830ドルを付けるなど、ドル全面安の動きとなった。その後は調整の動きが広がった。ドル円は午後に入って137.90台まで回復しており、午前の下げ分のほとんどを取り返した。マイナス圏スタートとなった日経平均がプラスに転じると午後には200円超の上昇となった。午前中から堅調な香港ハンセン指数を始め、韓国総合などもしっかりとした動きとなっており、リスク選好の動きがドル円、クロス円の支えとなっている。ユーロ円は148.84近辺まで下げたあと、149.10台まで反発。

 ロンドン市場は、ドル買いが一服している。ドル円は東京市場で137.50付近まで下落したあとは買いが優勢となり、ロンドン早朝にかけて138.04近辺まで買われた。しかし、ロンドン市場の取引が本格化してからは、売買が交錯しており137.80-138.00レベルに高止まりしている。ユーロやポンドは下に往って来い。ユーロドルは1.08台前半から一時1.0796近辺まで下落も、その後は1.0830付近へと買い戻されている。ユーロ円は149円を挟んだ上下動で、足元では149.35近辺に高値を伸ばしている。ポンドドルは東京午前の1.2472近辺を高値にロンドン朝方には1.2414近辺まで下落。その後は1.2465近辺までの反発。ポンド円は171.20付近を安値に171.90付近までの上下動。総じて、先週末の取引レンジを踏襲しており、方向性には乏しい。今日は主要な経済指標発表がみられないほか、引き続き米債務上限問題の行方を見守りたいとのムードもあるようだ。北米市場では、カナダがビクトリアデーのため休場となる。

 NY市場は、ドル買いが再開している。ドル円は138円台を回復。米国債利回りが上昇に転じており、ドル円の上げをサポート。朝方にFOMC委員の中でもタカ派の急先鋒として知られるブラード・セントルイス連銀総裁の発言が伝わり、「今年あと2回利上げを余儀なくされる」と述べていたこともドル円の買い戻しをサポートしたようだ。急速に売りに押される場面が見られたが、直ぐに戻している。ペンタゴンが攻撃されたとのフェイク画像に反応したもよう。ユーロドルは上値の重い展開が続き、一時1.08台を割り込む場面も見られた。ビルロワドガロー仏中銀総裁の発言が伝わっていたが、ECBは今後3回で利上げ停止もあり得るとの見解を示していた。ポンドドルも上値の重い展開で1.24台前半に下落した。英中銀は量的引き締め(QT)のペースを上げつつも、来年には利下げ開始する可能性があるとの指摘が出ている。

(23日)
 東京市場では、ドル円が上下動。前日までのドル高円安の勢いが続く形で、朝方138.80近辺に上昇した後、いったん138.40台に調整。昼前に138.87近辺まで再び上昇し、11月30日以来の高値を付けた。後場スタート前に経済産業省が半導体輸出規制を7月23日から施行と発表。199円高で引けていた前引けから、東京エレクトロンの売りなどに一気の株安となり、リスク警戒の動きが広がった。ドル円は午前の安値を割り込んで138.36近辺まで下落した。ユーロ円は150円台に乗せる場面があったが、その後はドル円とともに下落、149.56近辺まで下押しされた。ユーロドルはやや上値が重く、1.0800付近へと軟化。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。前日のブラード総裁やカシュカリ総裁などのタカ派発言を受けて、市場での6月FOMC観測では一定の割合で利上げを織り込む動きが残っている。米債利回りの上昇とともに、今日はドル買いの動きが再燃した。一連の欧州や英国の5月PMI速報値が弱含んだことでユーロやポンドに売り圧力がかかったことがドル高につながる面も。また、欧州株や米株先物が調整に押され気味となっており、取引序盤にはドル円、クロス円が軟化した。ドル円は138.20台まで軟化したあと138.50台へと戻しており、円高とドル高が交錯。ユーロドルは1.08台割れから1.0770付近へ、ポンドドルは1.24台割れから1.2370台へと下落。クロス円も軟調で、ユーロ円は149.20付近へと下落。ポンド円は171.30付近まで下げた。ポンドは取引序盤に対ユーロでの売りが入った。あすの英消費者物価指数発表を控えて、インフレの伸び鈍化が見込まれることが影響した面も。ただ、この日の議会証言ではベイリー英中銀総裁などが食品価格インフレを過小評価していたと述べていた。一方、インフレが低下する良い理由がある、と従来からの見解も示した。

 NY市場では、ドル買いが継続。ドル円は138.85付近まで一時上昇。しかし、139円台を試すことなく伸び悩み。ただ、下押しも限定的で、上値追いの流れは堅持した。米債務上限問題については、イエレン財務長官が早ければ6月1日にデフォルトに陥る可能性が高いと繰り返し警告している。前日の現地時間の夕方にバイデン大統領とマッカーシー米下院議長の会談が行われたが、予想通りではあるが、具体的な合意はなく継続協議となっている。ただ、市場はまもなく解決されると楽観的に見ているようだ。ユーロドルは一時1.0760近辺まで下落し、ここ数日のサポート水準を試している。ポンドドルは1.2375付近まで下落も、その後は1.24台を回復している。明日は4月の英消費者物価指数(CPI)が発表される。内容次第ではポンドドルは更に下げを加速させるリスクも。
 
(24日)
 東京市場では、NZドルが急落した。11時にNZ中銀金融政策会合の結果が発表され、大方の予想通り0.25%の利上げとなった。一部で0.5%利上げの期待があったことで、NZドル売りに反応。声明では今回の利上げで金利がピークに達したことが示され、2024年第3四半期での利下げが示唆された。オア総裁は据え置きと利上げで難しい判断で会ったとしており、市場の一部が期待していた0.5%利上げではなく、据え置きか0.25%の選択であったことを示した。NZドル/ドルは0.62台半ばから0.61台半ばへ、NZドル円は86.60付近から85.20台へと急落。ドル円は138円台で上値重く推移。株安や米債利回り低下などが重石。

 ロンドン市場は、根強いドル高圧力が広がっている。NZ売りが継続し、対ドルでは0.61台前半へと一段安。ポンドドルは買いが先行。4月英消費者物価指数が前年比+8.7%と前回の10.1%から低下したものの、市場予想+8.2%を上回ったことがポンド買い反応を誘い、ポンドドルは1.2470付近まで買われた。しかし、その後はドル買い圧力とともに反落、安値を1.2360台まで広げている。ユーロドルは1.0795近辺まで買われたが、その後は反転して1.0750割れまで安値を広げた。5月独Ifo景況感指数は91.7と前回の93.4や市場予想93.0を大きく下回った。独連銀は、第2四半期のドイツ経済は小幅成長となる見込み、とかろうじてリセッションが回避される見方を示している。欧州株が大幅安となり、米株先物も下げに転じている。インフレ圧力が警戒されるなかで、これまでの上昇の動きに調整が入る格好。ドル高とともに円高の動きがみられ、ユーロ円は149円台半ばに買われたあとは148.80台まで反落、ポンド円も172.80近辺まで買われたあとは171.20台まで下落する場面があった。ドル円は138.20台まで下落したあと138.70台まで反発も、足元では138.50付近での推移と方向性に欠けた。

 NY市場では、ドル買いが優勢。ドル円は139円台に上昇した。午後にFOMC議事録が公表され、若干ドル売りの反応が見られたものの、一時的な反応に留まった。ドル円は139円ちょうど付近まで値を落としたが、大台は維持。議事録では、追加利上げへの支持を巡ってFOMC委員の意見が分かれていたことが示されたほか、データ依存のアプローチを強調、利下げについては可能性が低いとしていた。このところのFOMC委員からのタカ派な発言がドル買いを誘発しており、その意味でも本日の議事録で何らかのヒントが出るか注目されたが、新たな材料はない。ただ、市場が警戒していたほどタカ派ではない印象もあった。米債務上限問題については、依然として具体的な合意はなく、にらみ合いの状況が続いている。ユーロドルは1.08付近では上値が重く、1.07台半ばから後半で推移した。ただ、対円や対ポンドでは底堅く推移している。ドイツ経済が今後数年間、リセッション(景気後退)に陥ることはないかもしれないが、短期的、長期的ないくつかの課題により、成長はせいぜい控えめなものに留まるとの見方がでていた。ポンドドルは1.24台では売りに押され、1.23台後半から半ばに軟化した。ロンドン朝方に発表された英消費者物価指数では粘着性のインフレ圧力が示されたが、ポンド買いは一時的にとどまっていた。

(25日)
 東京市場では、ドル円は高値圏での揉み合い。朝方に格付け会社フィッチ・レーティングスが米国の格下げの可能性を示唆したことから、一時138.83近辺まで急落した。しかし、影響は限定的で、その後は米10年債利回りの上昇などを背景にドル買いが優勢となり、朝方の下げを帳消しにして、一時付近まで上昇。昨年11月末以来およそ半年ぶりの高値水準となった。朝方にドル円の下げに連動して149.30付近まで下落したユーロ円は、昼頃に150円ちょうど付近まで買われたあと午後は149円台後半で小動きとなった。ユーロドルは1.07台半ばから前半までドル高が進み、午後に入って3月24日以来およそ2カ月ぶりの安値水準となる1.0730付近まで下落した。NZドル/ドルは、昨年11月以来およそ半年ぶりの安値となる0.6076付近まで水準を切り下げた。

 ロンドン市場は、根強いドル高圧力がみられた。ドル円はロンドン序盤に139.30付近まで下押しも、再び139.60付近へと底堅く推移している。欧州株が売られているが、次第に下げ幅を縮小。米10年債利回りは3.73%台から3.76%付近へと小幅上昇。ユーロドルは東京市場から引き続き上値が重く、一時1.0714近辺まで安値を広げた。ポンドドルは買戻しが入り、1.2330台から一時1.2387近辺まで上昇。その後は1.23台後半で推移している。きょうはユーロ売り・ポンド買いが優勢。クロス円はドル円とともに下に往って来い。ユーロ円は150円付近が重くなると149.30近辺まで一時下げたが、その後は149円台後半へ下げ渋り。ポンド円は172円近辺で下げ止まりと高値を172.77近辺に伸ばした。この日発表された第1四半期のドイツGDP確報値は前期比-0.3%と下方改定され、2期連続のマイナス成長が確定した。ドイツ消費者信頼感も引き続きマイナスの数字だった。ポンドに関しては新たな材料はでていないが、前日の英インフレ指標が高水準にとどまったことで、市場は年内にあと1%の利上げを完全に織り込んでいる。トルコ中銀は予想通り政策金利を据え置き、市場反応はほとんど見られなかった。

 NY市場では、ドル円が一気に140円台を回復した。朝方発表の第1四半期の米GDP改定値が上方改定されたことや米新規失業保険申請件数が予想を下回ったことがフォローとなった。一部のFOMC委員からのタカ派な発言や、依然として強い米経済指標が続いており、ここに来て市場はFRBの追加利上げへの期待を高めている。短期金融市場では6月FOMCでの利上げと据え置きの確率が五分五分となっているほか、7月までの利上げを75%程度で織り込んでいる状況。日銀が依然として慎重姿勢を維持している中で、日米の金利差拡大への期待がドル円を押し上げたようだ。ユーロドルは上値の重い展開が続き、1.07台前半まで下げ幅を拡大。ただ、ECBの利上げ継続期待は根強く、市場ではあと2回は利上げを想定され、3回目については指標次第との見方を強めているようだ。ビルロワドガロー仏中銀総裁やクノット・オランダ中銀総裁といったECB理事の発言が伝わっていたが、6月と7月は利上げを実施し、夏休み明けの9月は指標次第とのスタンスを示唆していた。ポンドドルは戻り売りが続いており、1.23ドル台前半まで下落。4月初め以来の安値水準。米大手銀からは、英中銀は5.25%まであと3回利上げする可能性があるとの見方が出ていた。

(26日)
 東京市場で、ドル円は高値からやや調整されている。来週月曜日は米国、英国が休場。3連休を前に市場では利益確定の動きが広がっている。ドル円は朝の140円台から139円70台割れへと反落。日経平均の大幅上昇などリスク選好の動きが見られるが、これまでのドル高の勢いにいったん調整が入った形。ユーロドルは昨日の海外市場で1.0700台を付けたが大台を維持。今朝は1.0710台なで軟化も、その後は1.0740台まで買われている。このところ売りが目立っていた豪ドルは0.65を一時割り込んだが、その後0.6510台での推移。債務上限問題については、ぎりぎりでデフォルト回避との楽観論が一般的であるが、3連休を前に少し慎重な見方があり、ドル買いの動きが鈍った。ドル主導でクロス円は大きな動きにならず。ユーロ円はドル円の売りに149.92近辺まで下げたが、その後少し戻している。

 ロンドン市場はドル売りが優勢。今週はドル買いの流れが続いたが、週末の米英市場の3連休を控えて調整が入る形となっている。米債利回りの低下がドルの上値を抑えている。10年債利回りは3.82%台から3.77%台へと低下。欧州株や米株先物・時間外取引は前日終値を挟んで振幅しており方向性に欠ける動き。このあとのNY市場で発表される最新の米PCEデフレータなどの結果を見極めたいとのムードもあるようだ。

 NY市場でドル円は上値追いの動きが加速。ロンドン時間には利益確定売りも出て、一旦139円台半ばまで値を落としていたものの、NY時間に入って再び140円台に戻す展開。この日発表の4月のPCEデフレータがインフレの粘着性を示す内容となったことがドル円の買い戻しを強めた。 

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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