ドル円は一気に140円台を回復 6月の米利上げと据え置きの確率が五分五分に=NY為替概況

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ドル円は一気に140円台を回復 6月の米利上げと据え置きの確率が五分五分に=NY為替概況

 きょうもNY為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は昨年11月以来の140円台を一気に回復した。朝方発表の第1四半期の米GDP改定値が上方改定されたことや米新規失業保険申請件数が予想を下回ったこともフォローとなった。

 一部のFOMC委員からのタカ派な発言や、依然として強い米経済指標が続いており、ここに来て市場はFRBの追加利上げへの期待を高めている。短期金融市場では6月FOMCでの利上げと据え置きの確率が五分五分となっているほか、7月までの利上げを75%程度で織り込んでいる状況。日銀が依然として慎重姿勢を維持している中で、日米の金利差拡大への期待がドル円を押し上げたようだ。

 140円台を維持できるのか、明日以降の動きが注目されるが、完全回復には何らかのきっかけも必要。目先は、明日のPCEデフレータと米債務上限問題の行方だが、債務上限問題については楽観的に見ているものの、ぎりぎりまで交渉がもつれるのではとの見方も強い。バイデン大統領は「債務上限と支出に関する交渉は生産的で合意に達するだろう」と述べていた。大統領は2年間の歳出凍結を提案したという。

 ユーロドルは上値の重い展開が続き、1.07ドル台前半まで下げ幅を拡大。3月以来の安値水準。ただ、ECBの利上げ継続期待は根強く、市場ではあと2回は利上げを想定され、3回目については指標次第との見方を強めているようだ。

 この日もビルロワドガロー仏中銀総裁やクノット・オランダ中銀総裁といったECB理事の発言が伝わっていたが、6月と7月は利上げを実施し、夏休み明けの9月は指標次第とのスタンスを示唆していた。ただ、市場はその見方を十分に織り込んでおり、むしろ、FRBの追加利上げ観測という新たな材料のほうに関心が向かっており、ユーロドルの戻り売りを誘っている模様。

 ポンドドルは戻り売りが続いており、1.23ドル台前半まで下落。4月初め以来の安値水準。本日の100日線が1.2285ドル付近に来ており、試に行きそうな気配も出ている。ただ、前日の英消費者物価指数(CPI)を受けて、市場では英中銀の利上げ期待が高まっている。

 米大手銀からは、英中銀は5.25%まであと3回利上げする可能性があるとの見方が出ている。前日の英CPIが英国の持続的なインフレ証拠を補強し、6月、8月、9月に0.25%ポイントずつ利上げを行う可能性があるという。インフレが英中銀の予測を小幅に上回る状態が続くと見ているようだ。また、英中銀は、コアインフレに減速の確信を持てる兆候が示されるまで利上げを継続する可能性が高く、それは9月になりそうだという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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