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為替相場まとめ3月27日から3月31日の週

為替 

 27日からの週は、リスク選好ムードが広がり円売りとドル売りが優勢だった。一連の金融不安の動きが一服したことや、、欧州などでインフレ指標の伸びが鈍化したことが、今後の中銀利上げ打ち止め観測を高めたことが株式市場などに好感された。米ナスダック指数は強気相場入りとなった。また、年度末・月末・四半期末で実需取引が持ち込まれたことも円安に作用していた。ドル円は130円台から133円台へと上昇。ユーロ円は140円台から145円台へ、ポンド円は159円台から165円台まで上昇。ドル売り傾向も継続し、ユーロドルは1.09台、ポンドドルは1.24台に上昇した。ドル指数は3月に入ってからの低下傾向を維持している。週末を前にドル円が高値から調整の動きが見られるなど、一方向の動きに対する警戒感も見られた。

(27日)
 東京市場では、円売りが優勢。ドル円は先週末の海外市場で129.64レベルと2月3日以来の安値をつけたが、引けにかけては130円台後半に戻した経緯があった。週明けはいったん130円台半ば割れまで調整されたが、すぐに買いに転じると午前中には131.05レベルまで高値を伸ばした。米株先物が時間外取引で堅調に推移し、リスク警戒が後退した。ユーロ円も一時141円台に乗せた。午後にはドル円とともに値動きが一服。ユーロドルは1.07台後半を中心とした値動き。また、欧州金融機関に対する警戒感がおり、ロンドン勢の参加待ちに。日経平均は比較的しっかりとなったものの、10時半に発表された中国の工業企業利益(1-2月)が前年比-22.9%と大きく落ち込み、中国売りが広がったこともあって、アジア株式市場全体ではさえない動きとなったことでリスク警戒後退の動きも一服した。

 ロンドン市場では、クロス円を中心に円が売られた。リスク警戒の動きが後退している。米当局が銀行向け緊急融資ファシリティー拡張などの追加的な銀行支援策検討との週末報道を受けて、時間外市場でファーストリパブリックバンク株が上昇。先週末の株高を好感して東京、欧州の株式市場がしっかりとした動きを見せたことなどが好感され円売りとなった。ドル円は東京朝方の高値を超えて131円台半ばまで買われた。ユーロ円は140.60付近まで調整売りが入ったあとは141.70台へと上昇。ポンド円は振幅を伴いながらも159円台から161円台乗せへと上昇。リスク警戒の動き後退による対ドルでの欧州通貨買いも目立っており、ユーロドルやポンドドルがしっかり。特にポンドは英債利回りの上昇などを巻き込んで大きく買われ、ポンドドルはロンドン朝の1.2220前後から1.2270台まで上昇。ユーロドルは1.0780台がやや重く、ロンドン朝の上昇からいったん1.0750割れまで調整が入ったが、その後独Ifo景況感指数の好結果や、スペイン中銀総裁のユーロ圏金融機関悪いシナリオにも用意周到との発言などから買い戻しが入り、1.0780手前まで再び上昇。

 NY市場では、ドル円が一段と買われた。131円台後半まで一時上昇した。きょうドイツ銀株が買い戻されており、不安は一服している模様。米銀株も買い戻された。しかし、FRBの利上げサイクルの停止および、場合によっては年内の利下げ観測も浮上する中、ドルを積極的に買う動きはない。。そのほか、景気のハードランディングへの不安もみられた。ロシアがベラルーシに戦術核兵器を設置するという地政学的緊張も再燃しており、市場にとっては依然としてすっきりしない状況が続きそうだ。ユーロドルは1.08付近まで上昇。一部調査によると、ユーロドルは過去数カ月間、ユーロ圏と米国の間の長期債利回りの格差に敏感であるとの指摘があった。金融不安が後退する中でポンドドルは買いが優勢となり、1.22台後半まで戻した。先週の英中銀金融政策委員会(MPC)は予想以上にタカ派色が強かった印象で、利上げ停止を期待していた市場も見直しを迫られ、短期金融市場では年内にあと1回か2回の利上げを織り込む動きが見られていた。

(28日)
 東京市場は、調整含みの動き。ドル円は午前中に131円台後半から130.50台までドル安・円高が進んだ。北朝鮮の金総書記にによる核兵器いつでも使用できるように準備しておくべき発言や、年度末を前にした実需がらみでの円買い、米債利回りの低下を受けたドル売りなどが見られた。米2年債は3.96%前後から一時3.89%まで低下した。 ドル円は午後に入っても上値の重い動き。小幅ながら午前の安値を割り込み130.51レベルを付ける場面が見られた。安値を付けた後は少し戻しているが、130円台後半での推移にとどまった。ユーロ円は午前中の円買いに142円台から141円台前半へ下げた。午後に入って141.05レベルまで下げ幅を広げたが、大台は維持して少し戻している。ユーロドルは1.08を挟んだ振幅にとどまった。午前9時半の豪小売売上高は市場予想通りで、反応は落ち着いていた。豪ドル/ドルは0.6650割れから
0.67手前へと上昇。豪ドル円は87円台半ばから前半でやや上値が重かった。

 ロンドン市場は、不安定な相場展開。東京午後からロンドン序盤にかけては株高、米債利回り上昇などリスク選好的な動きがみられた。先週に不安定な値動きをみせたドイツ銀株が上昇して取引を開始、安ど感を広げていた。ドル円は130.50付近の安値から一時131.30近辺まで反発。ユーロ円は141円付近から一時142円台乗せ、ポンド円は160円台後半から161円台後半へと反発。しかし、この流れは続かず。米株先物が下げに転じ、欧州株も序盤の上げを失っている。ドイツ銀株が再び売られ、一時3%安となる動きが警戒感を誘った。ドル円は再び130円台後半へと押し戻され、131円挟みで不安定に売買が交錯している。ユーロ円は141円台後半で売買交錯、ポンド円は一時160円台後半まで押し戻されたあと161円台前半で取引されている。ユーロドルは一時1.0834近辺に高値を伸ばしたが、その後は1.08台前半で高止まり。ポンドドルは1.2330近辺まで買われたあとは1.2280付近まで反落、そして1.23台前半に下げ渋りと方向性定まらない動き。タカ派で知られるミュラー・エストニア中銀総裁は、「おそらく利上げする余地があるだろう」と自説を展開しつつも、「次回のECB会合ではより様々な意見がでてくるだろう」と付け加えた。ベイリー英中銀総裁は、「世界のマーケットが銀行を試している、弱さの兆候探して」と現在の状況を表現した。

 NY市場は、ドル相場の上値が重かった。ドル円は一時130.40近辺まで下落する場面があり、その後は下げ渋りも上値では戻り待ちの売りも多そうな雰囲気だった。米国やスイス当局の対応もあり、金融不安は一服しているもののドル売り圧力が根強く、ドル円の上値を圧迫している。市場では、FRBの早期利上げサイクル停止および、場合によっては年内の利下げシナリオが浮上している。FRBは年内の利下げについては否定しているが、投資家はドルに積極的になれないようだ。短期金融市場では5月か6月のFOMCで0.25%ポイントの利上げをあと1回、それで今回の利上げサイクルをひとまず停止との見方を織り込んでいる。景気のハードランディングによるリスク回避の円高への警戒感も。ユーロドルは1.ドル台半ばまで上げ幅を伸ばした。先週の金融不安台頭による下げをほぼ解消している。市場からは、ECBとFRBの政策金利差が収束するにつれてユーロはさらに上昇する可能性があるとの指摘が出ている。ECBのメンバーは追加利上げを示唆し続けており、ユーロはさらに上昇する可能性があるという。ポンドドルは1.23台半ばまで上げ幅を伸ばし、先週の高値に顔合わせした。将来の金融政策に関する英中銀とFRBのシグナルが異なると指摘。ベイリー英中銀総裁は前日に比較的タカ派的な発言を行った。総裁は「英銀行システムは健全な状態にあり、インフレ圧力が持続すれば追加利上げが可能」との見解を示した。
 
(29日)
 東京市場では、ドル円が大きく買われた。朝方の130円台から午前中に大きく上昇。安値から1円以上高い131台後半へと高値を更新。仲値にかけてのドル買いが目立ち、年度末を前にした仲値需要がドル円を支えたもよう。その後の調整は限定的で、堅調地合いを維持。131円台後半推移が続いたあと、東京午前の高値を超えて132円に向かう動きとなった。日経平均の300円を超える上昇。アリババの急騰などで2%を超える上昇となった香港ハンセン指数など、アジア株の堅調な動きが円売りを支えた。衆院で答弁した内田日銀新副総裁が金融市場の安定が大事と発言。40年債の入札が好調となったことなども円売りにつながった。ユーロ円も141.70台から142.90台まで大きく買われた。ユーロドルは1.08台前半で小高く推移。

 ロンドン市場は、円安・ドル安の動きが広がった。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移し、リスク警戒感は後退している。きょうはアリババの企業分割が話題となっており、同社株が大幅高。香港株をはじめとしたアジア株や日本株も買われており、リスク動向は改善。また、米短期金融市場での5月FOMC見通しは据え置き観測が増加しており、25bp利上げとは約6対4の割合で織り込んできている。米10年債利回りは3.57%付近から3.53%付近まで一時低下し、ドル売り圧力となる面も。円相場にはリスク動向に加えて、年度末などの円売りフローの観測もみられた。ドル円はロンドン序盤に132.09近辺に高値を伸ばし、その後131.50台まで反落も、再び132円付近へ上昇する動き。クロス円も堅調で、ユーロ円は142円台後半から143.20台へ、ポンド円は162円台半ばから162.90台へ一段と上昇。ユーロドルは1.0810台に下押しされたあとは1.0860台に高値を更新。ポンドドルも1.2305付近に軟化したあとは、1.2360付近へと買われている。カジミール・スロバキア中銀総裁は、「利上げを継続すべき、おそらくペースは緩やかに」、レーンECBチーフエコノミストは「基本シナリオではより一層の利上げが必要に」などとやや慎重さは加わったものの利上げ継続姿勢を示した。

 NY市場では、ドル円が一段と上昇。132円台後半まで買われた。ドル売り圧力は一服したが、それ以上に円売り圧力がドル円を下支えしていた。月末、期末、日本の年度末の接近ということもあり、実需の買いも出ていたもよう。金融不安がひとまず一服していることもあり、リスク選好の円売りを指摘する向きもいる。 FRBの利上げサイクルもメドが見え始めている中、このところ市場では金融不安をきっかけに、逃避通貨としての円を見直す動きが復活している。ただ、今回の金融不安の台頭で、今後米銀を始めとした各国の金融機関が融資を厳格化してくることが想定され、景気の下振れリスクが高まるのではとの警戒感も。ユーロドルは1.08台前半に値を落とした。ただ、このところの上昇トレンドは維持している。先日のECB理事会では0.50%ポイントの大幅利上げは実施したものの、ガイダンスからは次回以降の利上げ示唆の言及は削除された。今回の銀行危機に配慮したものだが、その後のECB理事の発言からは追加利上げを志向していることがうかがえる。ポンドドルは1.23台前半と、上昇一服。本日発表の2月の個人向けの英住宅ローン貸付の月間増加額は7億ポンドと前回の20億ポンドから急減し、パンデミック期を除けば2016年4月以来の最低額となった。一方、住宅ローンの承認件数は6カ月ぶりに上昇したものの、4万3500件とパンデミック前の水準を35%ほど下回る水準に留まった。

(30日)
 東京市場は、前日海外市場で進行したドル高の水準で売買が交錯。ドル円は前日に130円台後半から132円台後半まで大きく上昇。その後、東京朝にはやや上値を抑えられて132円台半ばへと弱含んだ。午後に入り、米債利回りが一時下げに転じたことからドル円も一段安となり、132.36近辺まで下落、この日の安値を更新した。ユーロ円も軟化して午後には143.51近辺に安値を広げた。ユーロドルは方向性が定まらず。午前に1.0826近辺まで軟化も、午後には1.08台半ばへと戻して下げを帳消しにする場面があった。

 ロンドン市場は、株高とともに円売りとドル売りが入った。なかでもユーロ買いが主導している。欧州株高の背景には、このところの金融不安が一服したことや、前日のアリババ株急騰などで市場ムードが好転したことがある。これらに加えて、きょうは3月スペイン消費者物価指数・速報値が前年比+3.3%と2月の+6.0%から急減速したことも好材料となっていた。ユーロ相場は弱いインフレの伸びに一時売り反応も、すぐに買いが入った。ユーロドルは1.08台前半から1.08台後半へ、ユーロ円は143円台前半に下げたあと、144円台乗せに。ユーロはポンドや豪ドルなどその他主要通貨に対しても堅調。ポンドドルは1.23台前半から一時1.23台後半まで買われたが、対ユーロでの売りに1.23台前半へと押し戻されている。ポンド円は163円台前半から一時164円台乗せも、足元では163円台半ばへと失速。ドル円はロンドン朝方に132.20付近まで軟化したあとは132.90付近に高値を伸ばした。その後は132円台半ばに押し戻されている。欧州株、米株先物・時間外取引はともに堅調に推移しており、リスク選好ムードが続いている。5月米FOMCについて、市場では約6割が据え置き、約4割が25bp利上げを織り込んでおり、前日から状況に変化はみられていない。

 NY市場は、全体的にドル売りが優勢。その中でドル円は買いが続き、一時132円台後半まで買われた。ドル売り圧力は続いているものの、円売りがドル円を下支えしている。月末、期末、日本の年度末もあり、前日同様に実需買いも出ていたようだ。金融不安がひとまず一服し、米株式市場も買戻されている。米金利のピークが近く、金融不安もさらに緩和されるとの期待から、市場のムードは高まっている。ユーロドルは上値追いが続いており、一時1.0925近辺まで上げ幅を拡大。3月のドイツの消費者物価指数(HICP)の速報値が発表になっていたが、ガス価格の下落で前回からは低下していたものの予想は上回っていた。金融不安が後退する中で市場では、ドイツのインフレが予想を上回ったことでECBは再び利上げに趣きを置くとの見方が広がっており、ユーロも上昇。明日はFRBが参照しているインフレ指標である2月のPCEデフレータが発表される。ポンドドルも1.23台後半まで上昇。市場では英経済への悲観論が和らいでおり、ポンドを下支えしている。明日発表されるFRBが最も注目しているコアPCEデフレータは前月比で0.4%上昇、前年比では4.7%の上昇が予想されている。

(31日)
 東京市場では、ドル円が振幅した。午前に国内輸入企業からとみられる買いで132円台後半から一時133.51近辺まで買われた。17日以来2週間ぶりのドル高・円安水準となった。今日は月末・年度末のため実需絡みとみられる取引が活発だったほか、日経平均やアジア株が堅調に推移していることもリスク選好の円売りを誘った。午後にかけては円売りの動きが一巡し、午前の上げを帳消しにする場面があった。日本時間今晩に発表される2月の米PCEデフレータなどの結果を見極めたいとの見方から様子見ムードが広がり、132円台後半から133円ちょうど付近で小動きとなった。ユーロ円は、午前の円安局面で昨年12月20日以来およそ3カ月ぶりの高値水準となる145.67付近まで上昇。午後は144円台後半での揉み合いに落ち着いた。昨日の海外市場で1.0926付近まで上昇したユーロドルは、午前に前日高値に顔合わせする場面があったものの、上げは持続せず、午後は1.09台を割り込んでいる。

 ロンドン市場はドルが買い戻されている。ドル円は東京市場で133.50付近から132.70付近へと下げたが、ロンドン時間に入ると再び堅調な動きをみせている。日銀が4-6月の国債買い入れ額のレンジを拡大との報道が一瞬円高につながったが、緩和強化との見方からその後円安に復した。ユーロ圏消費者物価指数が全般に弱く出たことで、ユーロドルは1.09台割れから1.0860台へと安値を広げている。ユーロ対ポンド相場ではユーロ売りが入るなどユーロ安が広がった。前日のドイツ消費者物価指数の弱さなどもあり、ユーロ安が入りやすい地合い。

 NY市場は落ち着いた動きながらドル円、ユーロドルともに上値の重い展開となった。ドル円はロンドン市場の動きに対する調整が主体と見られる。米PCEデフレータが市場予想よりやや弱く出たことなどがドル売り円買いのきっかけ。もっとも次回FOMCでの見通しは、利上げと据え置きが拮抗した状況が変わらず。前回予想よりもかなり強く出たこともあり、事前の期待が見られた分の反動でのドル売りという面があった。ユーロドルはロンドン市場での流れが継続し、安値を広げた。物価鈍化見通しが追加利上げ期待を抑える形になっている。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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