ダウ平均は前日付近まで一時下げ渋る展開も=米国株後半
NY株式29日(NY時間15:51)
ダウ平均 32157.34(-126.06 -0.39%)
ナスダック 12040.32(-101.39 -0.84%)
CME日経平均先物 28095(大証終比:+185 +0.66%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均はマイナス圏での推移が続いているものの、下げ渋る展開も見られ、一時プラスに転じる場面も見られた。きょうのNY株式市場でダウ平均は続落して始まった。先週のパウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演を受けて、株式市場は幅広く売りが広がり、ダウ平均は1000ドル超急落していた。きょうもその流れが続いている。ただ、下値では値ごろ感からの押し目買いも見られている。一方、上値では戻り待ちの売りも多いようだ。
パウエル議長の講演はタカ派ではあったが、想定範囲内の印象も強い。ただ、株式市場はこれまで過度に楽観的になっていたこともあって敏感に反応したようだ。議長は大幅利上げが正当化される可能性があると述べ、インフレが和らぐまで政策金利が高止まりする可能性を示唆した。
株式市場では7月のインフレ指標がピーク接近の兆候を見せたことや、リセッション(景気後退)への警戒感から、FRBは来年に利下げに転じると期待している。しかし、議長の講演をきっかけに、その見方が揺らぎ始め、6月からのリバウンド相場が本格的な回復に繋がるとの楽観的な見方を一歩後退させている模様。市場では今回のサマーラリーを下げ相場の一時的な反転との見方も多く出ていたが、改めてその見方を意識している面もあるようだ。
今年上半期の株安のほぼすべてがFRBの引き締めに起因しているが、下半期は最終的に来年の業績予想で決まるとの見方も出ている。インフレがさらに利益や需要を圧迫することが予想され、今後はFRBではなく、これらのリスクに焦点を当てるべきだという。
原油相場に買いが膨らんでおり、エネルギー株が上昇している一方、銀行やIT・ハイテク株は軟調に推移。医薬品も下落している。
ネットフリックス<NFLX>が反発。広告付き新プランの料金について、月額7-9ドルと現行の広告なしの主力プラン(月額15.49ドル)の半分程度の設定を検討していると伝わった。10-12月期に少なくとも6つの市場で、この新オプションを導入する予定だとし、完全展開は来年以降かもしれないという。
ワクチン開発のVBIヴァクシンズ<VBIV>が下落。最大1.25億ドル分の増資を発表した。
キャタレント<CTLT>が決算を受け下落。同社は医薬品の配送技術および開発ソリューションを提供する。通期の売上高見通しが予想を大きく下回った。
化学大手のダウ・インク<DOW>が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げた。
医薬品のブリストル・マイヤーズ・スクイブ<BMY>が6日続落。きょうは同社が開発中の脳卒中治療薬「ミルヴェキシアン」の臨床試験(第2フェーズ)の結果を発表し、主要目標を達成できなかった。
バイオ医薬品のミネルバ・ニューロサイエンシズ<NERV>への買いが加速。統合失調症治療薬候補の「ロルペリドン」の承認をFDAに申請したことが買い手掛かりとなっている。
ティルレイ・ブランズ<TLRY>やクレスコ・ラボ<CRLBF>など大麻株の買いが強まっている。ニューヨーク州の娯楽用大麻の販売解禁を控え強含んでいる。
ネットフリックス<NFLX> 225.80(+2.52 +1.13%)
VBIヴァクシンズ<VBIV> 0.90(-0.04 -4.08%)
キャタレント<CTLT> 92.86(-6.84 -6.86%)
ダウ・インク<DOW> 53.67(-0.79 -1.45%)
ブリストル・マイヤーズ<BMY> 66.92(-4.27 -6.00%)
ミネルバ・ニューロ<NERV> 11.70(+1.37 +13.26%)
ティルレイ<TLRY> 3.90(+0.07 +1.72%)
クレスコ・ラボ<CRLBF> 4.21(+0.26 +6.53%)
アップル<AAPL> 161.56(-2.06 -1.26%)
マイクロソフト<MSFT> 265.28(-2.81 -1.05%)
アマゾン<AMZN> 130.23(-0.52 -0.40%)
アルファベットC<GOOG> 110.65(-0.65 -0.58%)
テスラ<TSLA> 285.35(-2.74 -0.95%)
メタ・プラットフォームズ<META> 159.83(-1.95 -1.21%)
AMD<AMD> 88.82(-2.37 -2.59%)
エヌビディア<NVDA> 158.69(-3.91 -2.40%)
ツイッター<TWTR> 40.19(-0.27 -0.67%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。