確率的には「先週から下落も下値期待を高めた印象はない」

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 今週は米消費者物価指数(CPI)が大きなポイントであっただろう。ドル円は先週の130円付近までの急落から135円台まで戻していたが、米CPIを受けて再び下放れした格好となっている。米CPIは総合指数で前年比8.5%、食品・エネルギーを除いたコア指数で5.9%と、ガソリン価格、中古車価格の上昇が落ち着き、予想以上に鈍化していた。

 来週以降、8月末までに130円に到達する確率は先週の22.2%から23.3%とほぼ変わらず。9月末までであれば、41.8%から49.9%にやや上昇といったところだ。週末終値は先週から1円50銭以上下落したものの、下値期待を高めた印象はない。100日線と21日線の間での上下動に終始しており、次第に三角保ち合いに入りつつある雰囲気も出ている。

 ドル高への期待は依然として根強く、米CPI後に見せた激しいドル売りは過剰反応のようにも思われる。今回の数字はFRBが一息つける余地を与え、消費者にも安堵感をもたらす内容ではあったのかもしれないが、伸びは依然として8%を超えており、食品コストの上昇も続いている。FRBにとっては「必要な数字ではあったが、十分ではない。こうした内容をもっと数多く確認する必要がある」との声も根強い。実際、米CPI発表後のFOMC委員の発言はいずれも、これまでのタカ派姿勢を堅持している。

 市場のテーマは金融政策から景気の動向にシフトしている。現在、1年先までのリセッション(景気後退)入りの確率は40%-50%程度で見られている。景気後退への懸念を示すとも言われている米国債の逆イールドも拡大が続いている状況。

 これまでFRBと日欧英の各国中銀の金融政策格差を主体にドルを積み上げてきた市場も、過度に積み上がったドルロングを調整したい意向も強まっているのかもしれない。もっとも、本格的に景気後退が意識されれば、為替市場のシナリオはリスク回避のドル買いが有力視される。現状からすれば、米国よりもユーロ圏や英国のほうが、景気の落ち込みは深刻と見られているようだ。

 日本は他国ほど厳しいインフレが進んでいないことから、何とも言えないところではあるが、少なくとも現状の金融緩和策を解除する状況にはないであろう。景気後退が視野に入ればシナリオはドル高・円高なのかもしれない。

 ただし、現状では、世界的に景気後退に陥ったとしてもマイルドな後退で、不況という表現にはならないと楽観視されている。中国経済は気掛かりではあるが。

◆来週以降8月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
140円: 1.9%(20.0%)
139円: 4.4%(30.1%)
週末終値:133.42円(135.01円)
130円:23.3%(22.2%)
129円:12.0%(13.9%)
128円: 5.5%( 8.2%)

◆来週以降9月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
140円:14.5%(35.6%)
139円:21.2%(45.5%)
週末終値:133.42円(135.01円)
130円:49.9%(41.8%)
129円:37.6%(32.6%)
128円:27.2%(24.7%)

※ドル円のオプション取引から算出

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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