ダウ平均一時1000ドル超の下げ、今年一番の下落に=米国株式概況
きょうのNY株式市場でダウ平均は一時1000ドルを超える下げとなった。終値ベースでも900ドルを超える下げで、今年一番の下落率に。
南アで検出された感染力の高い変異株は、WHOがデルタ株に次ぐ「懸念される変異株(Variant of Concern : VOC)」に指定など、かなり深刻なものとの認識が世界的に広がり、リスク警戒の動きが一気に強まった。
終値はダウ工業株30種平均が905.04ドル安の3万4899.34ドル、ナスダック総合指数が353.57安の1万5491.66、S&P500が106.84安の4594.62。
時間外取引で下げていたこともあり、寄り付きから大きく下げたダウ平均は、その後も売りが強まる展開。朝方は買いが入り、過去最高値を更新していたP&G<PG>が、その後マイナス圏に沈むなど、ほぼ全面安の展開。採用30銘柄中ベライゾンを除いて全
面安という流れになった。
特に売りが目立ったのがCDSスプレッド拡大が嫌気され、朝から大きく売り込まれたアメリカン・エキスプレス<AXP>、今後の世界的な渡航制限の流れなどが懸念されたボーイング<BA>など。その他、キャタピラー、メルク<MRK>、JPモルガン・チェース<JPM>、コカ・コーラ、トラベラーズ<TRV>、アップルなどが3%を超える下げに。
その他銘柄も2%台や1%台の下げが目立ち、かなり大きな下げという印象に。
GAFA関連ではテスラ<TSLA>、エヌビディアが3%を超える下げ。アルファベット、メタ・プラットフォーム(フェイスブック)、アマゾン<AMZN>なども2%を超える下げに。
欧州でデルタ変異株による新型コロナの感染拡大の動きが広がっていたものの、米国では感染拡大が一服するなど、アフターコロナに向けた動きが強まっていたところだけに、今回の新たな変異株による懸念が大きなものに。
米国が感謝祭シーズンで取引参加者がやや少なくなっていたことも、動きの荒っぽさに拍車をかけた可能性。
MINKABU PRESS
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執筆者 : MINKABU PRESS
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