「ドル/円、109.50のサポート」 外為トゥデイ 2021年7月16日号
目次
▼15日(木)の為替相場
(1):豪雇用統計発表も豪ドル反応薄
(2):英失業率 ILO方式は悪化
(3):英ソーンダース氏発言でポンド買い
(4):米一連の経済指標 予想に届かず
(5):パウエル氏「緩和縮小はまだ遠い」
15日(木)の為替相場
期間:15日(木)午前6時10分~16日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪雇用統計発表も豪ドル反応薄
豪6月雇用統計は、失業率が4.9%に低下(前回5.1%、予想5.1%)し、新規雇用者数は前月比2.91万人増加した(前回11.52万人増、予想2.00万人増)。しかし、豪ドルに目立った反応はなかった。日本株の軟調推移や原油価格の下落が重しとなった模様。その後、中国で一連の経済指標が発表されたが、豪ドルはこれらにも大きな反応は示さなかった。なお、中国の4-6月期国内総生産(GDP)は前年比+7.9%(予想+8.0%)、6月鉱工業生産は前年比+8.3%(予想+7.9%)、6月小売売上高は前年比+12.1%(予想10.8%)であった。
(2):英失業率 ILO方式は悪化
英6月失業率は5.8%、英6月失業保険申請件数は11.48万件減(前回6.0%、予想15.14万件減)、英3-5月ILO失業率は4.8%(前回4.7%、予想4.7%)、英3-5月週平均賃金は前年比+7.3%(前回+5.7%、予想+7.1%)であった。
(3):英ソーンダース氏発言でポンド買い
英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)メンバーであるソーンダース委員は、景気回復に伴うインフレ加速を抑えるため、「1-2カ月のうちに」金融刺激策の縮小を検討する必要があるとの見解を示した。これを受けてポンドは一時買いが強まった。
(4):米一連の経済指標 予想に届かず
米新規失業保険申請件数は36.0万件と、市場予想(35.0万件)ほどには減少しなかった(前回38.6万件)。その後に発表された米6月鉱工業生産は前月比+0.4%と予想(+0.6%)を下回った。同設備稼働率も75.4%と予想(75.6%)に届かなかった。
(5):パウエル氏「緩和縮小はまだ遠い」
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は前日の下院に続き上院で証言を行った。前日同様に「資産購入ペース縮小の開始にはまだ道のりがある」との見解を示した他、「暫定的なインフレ上昇に対応するのは理に適わない。今回のインフレは歴史的に固有のもの」などと発言した。
15日(木)の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し:米長期金利の動向がカギ
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%下落。109.71円前後で下げ渋ると押し目買いが優勢となり、110円台を回復する場面もあったが、米10年債利回りが再び1.30%を割り込んで低下する中、109円台に押し戻された。
109円台後半のサポートを維持できるかが本日の焦点となりそうだ。日足一目均衡表の雲上限(109.54円前後)や8日に付けた月初来安値(109.53円前後)が並ぶ109.50円台は強力なサポートになると見られるが、それだけにもし割り込めば下げ足を速める可能性もある。引き続き米長期金利の動向がカギとなろう。注目材料は米6月小売売上高だ。
注目の経済指標
注目のイベント
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