「ドル/円、下値は限られる公算」 外為トゥデイ 2021年7月15日号
目次
▼14日(水)の為替相場
(1):NZ中銀 早期利上げ観測
(2):英6月CPI好結果もPPI伸びず
(3):米6月PPI 予想を上回る
(4):FRB議長 インフレの上昇は「一過性」
14日(水)の為替相場
期間:14日(水)午前6時10分~15日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):NZ中銀 早期利上げ観測
NZ中銀(RBNZ)が、大規模資産買い入れプログラム(LSAP)を今月23日で停止すると発表した事で早期利上げ期待が高まりNZドルが急伸。豪ドルも連れ高したが、豪ドル/NZドル相場が急落する中で豪ドル/円の上値は抑えられた。
(2):英6月CPI好結果もPPI伸びず
英6月消費者物価指数は前月比+0.5%、前年比+2.5%と予想(+0.2%、+2.2%)を上回る伸びとなった。一方、英6月生産者物価指数は前月比+0.4%、前年比+4.3%と予想(+0.6%、+4.8%)ほどの高い伸びとはならなかった。
(3):米6月PPI 予想を上回る
米6月生産者物価指数は前月比+1.0%、前年比+7.3%と予想(+0.6%、+6.7%)を上回る伸びとなった。これを受けてドルは一時的に上昇したが、米連邦準備制度理事会(FRB)がパウエル議長の議会証言に先立ち証言原稿を公開すると下落に転じた。議長は証言で「一段の顕著な進展」にはほど遠いとして金融政策の正常化を急がない姿勢を表明することが明らかになった。
(4):FRB議長 インフレの上昇は「一過性」
パウエルFRB議長は下院金融サービス委員会で証言を行い、「景気回復が完了するまで、金融政策を通じて経済に強力な支援を提供する」と表明。一方で「労働力に対する需要は極めて高い」「雇用の抑制につながっている要因は収束し、雇用創出は力強くなる」との見解も示した。インフレについては「インフレ率の上昇が『一過性」であると断言はできないが、依然『一過性』であると確信している」と述べた。また、「FRBはテーパリングを検討している最中」とし、「目標への進展が継続すればテーパリングを開始する」と表明した。
14日(水)の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し:下値は限定的
昨日のドル/円は110円台を割り込んで下落。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言でハト派姿勢を維持した事から、米長期金利の低下とともに109.94円前後までドル安が進行した。パウエル議長は「テーパリング(量的緩和の段階的な縮小)など、支援策の解除はまだ先」とした上で「景気回復が完了するまで、金融政策を通じて経済に強力な支援を提供する」と表明した。
もっとも、パウエル議長は「現在、雇用の重しとなっているパンデミック関連の要素の一部が後退するにつれて、雇用の伸びは向こう数カ月に力強さを見せるだろう」として先行きに対する楽観的な見方も示している。また、「テーパリングを巡る新たな討議を今後数週間中に開始する」事も明らかにしている。このため、ドルの下値は限定的と見ており、8日に付けた月初来安値の109.53円前後にかけて109円台後半では底堅く推移すると見込んでいる。
注目の経済指標
注目のイベント
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