米小売売上高の弱さなど受けてドル売りも限定的
米小売売上高の弱さなど受けてドル売りも限定的
株高、債券利回り低下、ドル売りの流れも、円売りもあってドル円は値幅目立たず
【東京市場】仲値にからんでの買い、その後ももみ合い
ドル円は仲値にかけて109円66銭まで序章。その後はもみ合いに。
日経平均の上昇も支えとなったが
米10年債利回りの上昇一服などが重石に。
ユーロドルが1.2080台を付けるなどしっかりに。
【ロンドン市場】ドル売り優勢
ドル売りが強まる展開に。
東京市場でも午後はやや頭が重く、ロンドン市場でも流れが継続。
ドル円は109円台前半での取引が続いた。
【NY市場】米小売売上高の弱さなど受けてドル売りも限定的
ドル円は109円台前半推移となった。米債利回りが低下傾向を示したこともあり、ロンドン市場からドル円は頭の重い展開。NY朝には米小売売上高が予想を下回る弱めの数字となったことを嫌気してドル売りが広がり、109円19銭を付ける場面が見られた。米10年債利回りが1.62%台を付けるなどの動きに。もっともすぐに値を戻して、その後は109円台前半でのもみ合いに。米債利回りは少し戻したが1.65%を付けきれず、その後も冴えない動きとなってドルの重石となっている。
21時半の米小売売上高に続いて、23時にミシガン大学消費者信頼感指数も弱い結果となるなど、米経済指標は軒並み厳しい状況。先週のISMや雇用統計の弱さもあって、やや警戒感が広がっている。小売売上自体は額ベースでは史上最大をわずかながら更新しており決して弱いわけではないが、期待ほどの伸びを示していない。
こうした状況がドル円の110円トライの重石となっており、上値ではドル売りが入る展開に。もっとも米株が大幅続伸となるなど、リスク選好の動きが見られ、円売りが入っていることもあり、下値もしっかりという流れに。
【本日の見通し】上値意識も、米指標の弱さが警戒感に
ここにきて米指標の弱さが目立っており、ドル高の流れ自体は継続も上値追いに慎重姿勢が見られる。
ドル円は109円台前半での推移。
米債利回りが再び下げ気味となっており、ドルの重石となっている面も。
ユーロドルなどでのドル売りも目立っており、ドルは全面高基調。
もっともドル円は下がると買いが出る流れが継続。
早期のテーパリング期待が依然として見られ、ドルを支える格好に。
株高からの円売りの動きも支えとなっている。
基本的には109円台でのレンジ取引か。上下ともに可能性がありそうで
次の方向性を探る展開に。
【本日の戦略】押し目買い
レンジ取引の中、どちらから入るか。
印象としては押し目買い、
材料的には戻り売りといったところ。
突っ込んだ売り買いはいずれにせよなるべく避けたい。
デイトレはレンジを意識しての回転重視か。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《5/14 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.47 1.2081 132.23
高値 109.66 1.2148 132.84
安値 109.19 1.2071 132.19
終値 109.35 1.2141 132.78
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《5/14 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 28084.47 +636.46
DOW 34382.13 +360.68
S&P 4173.85 +61.35
Nasdaq 13429.98 +304.99
FTSE 7043.61 +80.28
DAX 15416.64 +216.96
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《5/14 金曜日の商品市場》
NY原油先物6 月限(WTI)(終値)
1バレル=65.37(+1.55 +2.43%)
ブレント先物7 月限(ICE)(終値)
1バレル=68.71(+1.66 +2.48%)
NY金先物6月限(COMEX)(終値)
1オンス=1838.10(+14.10 +0.77%)
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《5/14 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
マネーストックM2(4月)08:50
結果 9.2%
予想 9.4% 前回 9.5%(前年比)
【香港】
実質GDP・確報値(第1四半期)17:30
結果 5.4%
予想 5.3% 前回 5.3%(前期比)
結果 7.9%
予想 7.8% 前回 7.8%(前年比)
【米国】
輸入物価指数(4月)21:30
結果 0.7%
予想 0.6% 前回 1.4%(1.2%から修正)(前月比)
結果 10.6%
予想 10.2% 前回 7.0%(6.9%から修正)(前年比)
小売売上高(4月)21:30
結果 0.0%
予想 1.0% 前回 10.7%(9.8%から修正)(前月比)
結果 -0.8%
予想 0.6% 前回 9.0%(8.4%から修正)(コア・前月比)
鉱工業生産指数(4月)22:15
結果 0.7%
予想 0.9% 前回 2.4%(1.4%から修正)(鉱工業生産指数)
結果 74.9%
予想 75.0% 前回 74.4%(設備稼働率)
企業在庫(3月)23:00
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.5%(前月比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(5月)23:00
結果 82.8
予想 90.0 前回 88.3(ミシガン大学消費者信頼感指数)
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《5/14 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ECB議事録
一段のユーロ高は物価見通しに影響与える。
2021年中に経済がしっかりと回復してくるとみている。
(4月21-22日の理事会)
*レーンECBチーフエコノミスト
今年の残りの期間に、インフレはボラタイルな動きを見せそうだ。
*シュナーベルECB理事
リスク資産価格の高騰が、今後のリスク要因に。
【米国】
*メスター・クリーブランド連銀総裁
FRBの金融政策は良いところにいる。今は変えるべき時ではない。
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《本日予定されている主な経済指標》
【英国】
ライトムーブ住宅価格(5月)8:01
予想 N/A 前回 2.1%(前月比)
予想 N/A 前回 5.1%(前年比)
【日本】
国内企業物価(4月)8:50
予想 0.5% 前回 0.8%(前月比)
予想 3.1% 前回 1.0%(前年比)
【中国】
鉱工業生産(4月)11:00
予想 10.0% 前回 14.1%(前年比)
予想 21.1% 前回 24.5%(年初来・前年比)
小売売上高(4月)11:00
予想 25.0% 前回 34.2%(前年比)
予想 31.9% 前回 33.9%(年初来・前年比)
【カナダ】
住宅着工件数(4月)21:15
予想 N/A 前回 33.52万件
【米国】
ニューヨーク連銀製造業景気指数(5月)21:30
予想 23.9 前回 26.3
対米証券投資(3月)18日5:00
予想 N/A 前回 42.0億ドル
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員