ポンドは依然上値重い展開 対ユーロでの落ち込みは多少誇張されている面も=NY為替
きょうもポンドドルは急速な下げの動きは一服しているものの、依然として上値の重い展開は続いており、1.3720ドル近辺まで一時下落した。
今週のポンドは、アストラゼネカ製ワクチンの血栓症との関連が指摘され、英国でのワクチン展開に支障が生じるのではとの懸念から特に対ユーロで急速に下落している。ユーロポンドは一時0.8660ポンド付近まで上昇。しかし、本日はその動きも幾分落ち着いている。市場からは、今週に入ってからの対ユーロでのポンド落ち込みは多少誇張されている面があり、ユーロポンドは再び直近安値の0.85ドル付近に戻るとの見方も出ている。
英当局はアストラゼネカ製ワクチンに関して、「恩恵がリスクを上回る」との認識を再表明しており、7月末までにすべての成人に1回目の投与を提供するという目標は変更されていない。短期モデルに基づくと、ユーロポンドは1%程度過大評価されており、1月中旬以来の高水準だという。
なお、ロンドン時間に3月の英建設業PMIが発表され、61.7と予想を大きく上回る強さを示していた。しかし、英建設業はパンデミックとEU離脱によりサプライチェーンとコスト上昇の問題に直面していることが明らかとなっている。特に輸入品について仕入れの制約とロジスティクスの問題を報告した。英建設業は資材の購入価格が2008年8月以来の水準に急上昇しており、これが続けば、英建設セクターはすぐに冷え込む危険性もあるという。
GBP/USD 1.3741 GBP/JPY 150.11 EUR/GBP 0.8675
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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