【これからの見通し】今週のドル安の流れ、きょうはどうか
今週は3日連続でドル安の流れが続いている。ドル円は前日のNY市場で104円台前半、ユーロドルは1.18台後半、ポンドドルは1.31台後半までドル安水準を伸ばす場面があった。市場ごとにテーマ性が変化しているようだが、メインシナリオは米経済支援策合意への期待で、米株高・リスク選好型のドル売りといった構図になっている。
ただ、このあとのロンドン市場では、英国とEUの通商交渉関連のニュースに反応しやすい。合意できるのかどうか、まだ薄氷を踏む状況ではあるが、双方ともギリギリまで交渉を続ける意志は示している。英国とEUは相手の反応をみながら、譲歩を小出しにしている。ただ、双方が満足行く形での合意は難しそうだ。ポンド相場は期待感から買われてきているが、ニュース内容次第では流れが反転するリスクは念頭に置いておきたい。
また、相場にとっては聞き飽きたテーマとなっているが、新型コロナ感染拡大およびそれに伴う行動制限の影響はどうか。株式市場の調整の材料になりやすく、今日あたりはドル安にも調整が入る可能性も留意したい。週末超えのポジションを持ち続けたくない短期筋トレーダーにとっては、木金曜日は利食いやポジション調整のタイミングではある。
明日の東京午前には最後の米大統領候補討論会がテネシー州で行われる。いろいろと物議をかもしてきた討論会とあって、市場の注目度は高そうだ。事前のポジション調整の可能性もあり、注意はしておきたい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、香港消費者物価指数(9月)、トルコ中銀政策金利、米新規失業保険申請件数(17日までの週)、米景気先行指数(9月)、米中古住宅販売件数(9月)、ユーロ圏消費者信頼感・速報値(10月)など。米中古住宅販売件数は年率換算630万件と、前回の600万件から増加する見込み。
金融当局者の講演・イベント予定は、パネッタECB理事、ホールデン英中銀委員、ベイリー英中銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁など。英中銀総裁や委員のマイナス金利導入に関する言及が注目されそうだ。米主要企業決算は、AT&T、ダウ、インテル、コカコーラ、バレロエナジーなど。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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