ムニューシン発言で早期合意期待後退 ドル円は105円割れ試す動きも=NY為替概況

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 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となる中、ドル円も売りが優勢となり、心理的節目の105円割れを試す動きも見られた。円自体の方向感はなく、ドル売りがドル円を圧迫した模様。ムニューシン米財務長官が「包括的な景気対策取りまとめに依然努力はしているものの、大統領選前に何か成し遂げるのは難しい」との発言もあり、市場は早期合意への期待感を後退させていた。

 前日はジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がワクチンの臨床試験の中断を発表したことで、ワクチンの早期開発への期待が後退。米追加対策の協議も依然として出口が見えない中で、市場のモメンタムは低下している。そのような中、きょうの市場は手掛かり材料に乏しく、前日買いが強まったドルを売り戻しているといった印象。市場からは、11月3日の米大統領選までは積極的に動き難いとの声も出ている。

 前日までのドル円は105円台前半がサポートとして機能していたが、その水準を割り込む動きが出ている。105円を下回ると買いオーダーも観測され、積極的に105円割れをトライする雰囲気まではない。しかし、きょうの下げで21日線を下放れする展開となっており、テクニカル的には下値警戒感を強める動きを見せている。

 ユーロドルは緩やかな買い戻しが見られており、1.1770ドル近辺まで上昇する場面もみられた。一方、きょうもイタリアが過去最大の感染者数を記録しており、感染第2波による景気への影響も警戒される中、ユーロドルは活発に上値を追う動きまでは出てない。ポンドが対ユーロで上昇しており、それも重石となっているとの指摘も聞かれる。ユーロドルは1.18ドルを試す動きまでは見られず、本日の21日線が1.1750ドル付近に来ているが、その付近での推移に留まっている。

 ただ、来年にかけてのユーロドルの上値期待は根強い。FRBが低金利の長期化を打ち出す中で、FRBとECBの金融政策に大きな格差がなくなり、ユーロドルは来年にかけ緩やかに上昇するという。FRBの最近の利下げとバランスシート拡大で、米金融政策の質的優位性はほとんど消えてしまったという。ユーロの過小評価とドルの過大評価は、もはや正当化されないとしている。ECBは今後も、利下げの可能性を喚起してくることから、急速にユーロドルが上昇することはないものと見られるものの、年内は1.21ドル、2021年末までには1.24ドルへの上昇も見込まれるという。

 ポンドは買いが強まり、ポンドドルは節目の1.30ドルを回復し、ポンド円も一時137円台まで買い戻される場面もみられた。英政府が、EU首脳が貿易交渉の合意成立に向け、最後の努力する用意があると示唆する限り、ジョンソン首相が期限として独自に設定した10月15日を過ぎても交渉を続ける見通しだと伝わっている。ジョンソン首相は15、16日のEU首脳会議を踏まえて交渉を打ち切る是非を決定する意向。

 市場では交渉はEU首脳会議後も続くとの見方が多かったが、予想踊りの展開が期待されている。特にポンド買いを誘発する内容でもないのかもしれないが、前日にジョンソン首相が「合意なしの対EU貿易に恐れることはない」と述べていたこともあり、ある意味、安心感が広がったのかもしれない。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

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