マレーシアが4会合連続の利下げ、過去最低の水準に
マレーシアの中央銀行バンク・ネガラ・マレーシアは7日、政策金利を25ベーシスポイント(0.25%)引き下げ、同国にとって過去最低の1.75%とした。マレーシア中銀の利下げは4会合連続。新型コロナウイルス感染拡大防止のために行われた数カ月間のロックダウン解除を受け、経済は再開しているが、下振れリスクが長引く見込みであることに対応する。
ブルームバーグによれば、調査した25名のエコノミストのうち14名が予測したとおりの結果。オーバーナイトの政策金利は1.75%に引き下げられ、2004年以降で過去最低となった。なお、4人は50ベーシスポイント(0.50%)の利下げを予測し、7人は据え置きと予想していた。
中央銀行は声明で、利下げは「景気回復ペースを加速するための追加の刺激策を提供するもの」と説明。中銀の担当者は「コロナの影響と、インフレや国内成長の全体的な見通しに関する影響を引き続き注視する」と述べた。また、新型コロナ感染「第2波」や予想を下回る世界経済の成長力などが「下振れリスク」になると指摘した。
今回の利下げ受けてのマレーシアリンギット円の値動きは限定的。日足チャートでは、新型コロナ感染拡大のニュースが出始めた3月ごろからリンギット安に振れ、一時は24.4円レベルまで下落したが、経済再開期待で6月上旬には25.7円前後まで上昇した。足もとは25円ちょうどを挟んでもみ合いとなっている。
新型コロナの感染拡大防止と経済の両立は世界各国共通のテーマであるが、マレーシアは他のアジアの国と比べると、コロナをコントロールできているもよう。中銀の相次ぐ利下げを背景に、経済が今後上向く兆しがみえてくるかが注目される。
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執筆者 : MINKABU PRESS
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