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インドが消費財ブランドで「脱中国」、国内生産を模索する動き

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 インドが消費財ブランドで「脱中国」を進めていると一部メディアで報じられている。中国製品に対する消費者の反発や関税引き上げの可能性を受け、商品の国内生産を模索する動きが広まっていると、インドのエコノミック・タイムズ(電子版)が23日付けで伝えた。

 インド国内の受託製造企業によると、直近1週間で家電や衣類、オーディオ機器などのブランドから国内生産に関する問い合わせが多く寄せられているという。新型コロナウイルスの流行で中国からの供給に一時支障が出たため、各ブランドでは中国からの完成品輸入に関して、依存度を低減させる代替措置を検討していた。加えて、先ごろ中国との国境地帯で発生した軍事衝突の報復措置として、インド政府が中国からの輸入品への関税を引き上げる懸念が浮上したことが脱中国の動きを促している。

 また、消費者がこれまで以上に生産国を気にするようになったことや、政府が国内製造業の振興策を進めていることも背景にあるとしている。インド家電製造協会(CEAMA)によるとエアコンは3割、電子レンジは大多数が輸入品で、輸入元はほぼ中国。この割合は国内生産の拡大によって、変化する見通しとなっている。

 ウォールストリート・ジャーナルも23日に、インドが強引さを増す中国を前に、同じように中国台頭への懸念を共有する米国やその同盟国との軍事協力強化を検討しているようだと報じていた。きっかけは、インド兵士20人の死者を出した国境付近における中印の衝突。これは、ヒマラヤ山脈やインド洋の係争地を巡り、中国軍が進める実効支配の動きが突きつける課題を改めて印象づけた。インドは中国との対立で、他国による直接的な干渉には抵抗するとみられるものの、軍事力強化や地域における影響力拡大を目指し、米国やその同盟国と緊密に連携する考えを示している。

 インド経済は新型コロナ感染拡大で急失速しており、1億2000万人が失職する可能性があるとの民間調べの予測もあるもよう。インド政府は5月に、GDPの10%に相当する総額2兆ルピー(約2兆8000億円)の経済対策を発表したが、今のところ効果は未知数。経済が傷んでいるところで中国との衝突があり、ファンダメンタルズは決して芳しいとは言えないが、「脱中国」をキーワードに国内生産への回帰が進めば、雇用悪化が防げるとの見方を示すシンクタンクなども散見される。

 インドルピー円は6月上旬に1.45円近辺の高値をつけた後はドル円の弱含みも相まって1.40円前後まで軟化していたが、足もとで1.42円前後まで値を戻している。インド経済の悪化に歯止めがかかり、上向きの兆しがみえてくれば、3月につけていた1.47円台までの上昇もあり得るだろう。

INR/JPY 1.42

MINKABU PRESS

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執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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