トランプ会見待ちのなかで、ユーロ買い・ポンド売り主導=ロンドン為替概況
トランプ会見待ちのなかで、ユーロ買い・ポンド売り主導=ロンドン為替概況
29日のロンドン市場は、ユーロ買い・ポンド売りのフローが入っている。トランプ米大統領が中国に関して記者会見を開くと伝わっており、株式市場には調整売りの動きがみられている。中国が香港国家安全法の制定を採択したことで、各国からの非難が相次いでいる。そのなかでも、トランプ米大統領は強い措置をとると発言しており、今日の会見内容が気がかりだ。ただ、為替市場ではドル安の流れは維持されているものの、通貨ごとに値動きはまちまち。そのなかでユーロドルが一段と高値を広げる一方で、ポンドドルは反落と値動きに跛行性が鮮明になっている。ユーロポンドが節目の0.9000レベルを上回ると買いが勢い付いた。足元では高値を0.9055レベルまで広げている。ユーロドルは1.11台乗せから1.1141レベルまで上昇。一方で、ポンドドルは1.2358レベルの高値を付けたあとは、流れが反転して1.23台割れから1.2291レベルまで安値を広げた。その後は、ポンド売りも一服しており、ドル安基調に戻しつつある。ドル円は朝方に107.09レベルまで下押しされたあとは107.30付近まで下げ渋り、その後は揉み合いとなっている。
ドル円は107円台前半での取引。東京市場で107円台後半から前半へと下落したあと、ロンドン早朝には107.09レベルまで安値を広げた。ただ、大台割れには至らず、その後は107.30近辺まで下げ渋り、揉み合いとなっている。トランプ米大統領の会見待ちとなっている。
ユーロドルは1.11台前半での取引。1.11ちょうど付近での揉み合いから再び上値を伸ばしている。一時1.1141レベルまで買われた。ユーロ円は119円ちょうど付近から119.41レベルまで高値を伸ばした。欧州株や米株先物はトランプ会見を控えて、警戒感から売られているが、ユーロは堅調。対ポンドでの買いフローも観測された。きょう目立った新規材料はでていないが、ユーロに関しては27日に欧州委員会がの7500億ユーロ規模の支援基金構想を提案と報じられたことが引き続き買い材料となっているようだ。5月ユーロ圏消費者物価速報は前月比-0.1%、前年比+0.1%と前回から低下したが、事前予想通りでもあり反応薄だった。コア前年比は+0.9%と前回の水準を維持した。
ポンドドルは1.23台前半での取引。朝方に1.2358レベルまで買われたあとは売りに転じた。一時1.23台を割り込んで、1.2291レベルまで下落した。対ユーロでのポンド売りが強まっていた。ポンド円も132円台前半から131.78レベルまで一時下落。ただ、足元ではポンドドルとともに買い戻しが入っており、方向性はハッキリとしていない。ポンドドルは、ユーロドルほどではないが、前日からの上昇の流れを維持している。ポンドに関してはEU離脱交渉の難航、英首相側近への批判が続くなかで、昨日はソーンダース英中銀委員が金融緩和策は少なすぎるよりも多すぎるほうが安全だと述べたことなどが追加緩和期待につながっていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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