【今週の注目材料】米耐久財受注は落ち込み目立つ展開に~米第1四半期GDP・米耐久財受注
28日21時半には米国の第1四半期GDP(改定値)と4月の米耐久財受注(速報値)が発表されます。
新型コロナウイルスの影響を受けて、第1四半期GDPは速報値ベースで前期比年率-4.8%と2008年以来の下げ幅となりました。消費や設備投資を通じて世界経済を引っ張っている原動力の一つである米国経済の大きな鈍化は、新型コロナウイルスの影響を受けた世界経済への警戒感につながりました。
今回の改定値でも同水準が見込まれています。在庫などのブレもあり、ある程度の数字の上下はあると思われますが、ただ、かなり大きくずれない限り相場への影響は限定的(速報値発表時点で織り込み済み)となります。
同時に発表される4月の耐久財受注ですが、前回3月は前月比-14.7%(速報時点-14.4%)と、2014年以来の大幅な落ち込みとなりました。今回の予想は-18.0%とさらに落ち込む見込み。
さらに、今回は前回と一つ大きく違う部分があります。前回の大きな落ち込みは商用輸送機の落ち込みが主要因でした。新型コロナウイルスの影響を受けて移動制限もあり、米航空大手ボーイングの受注は、発注キャンセルなどが広がる中で前月比300%の大幅減。輸送を除くコアは-0.4%にとどまっています。航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は+0.1%とプラス圏。予想は-6.7%でしたので、以外の底堅さが印象付けられました。
しかし、今回はコアも-15.0%と大きく落ち込む見込み。製造業全体に厳しい状況になっていることを示す見通しとなっています。
予想前後の数字が出てくると、こちらはドル売りの材料となりそうです。
MINKABU PRESS 山岡和雅
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執筆者 : MINKABU PRESS
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