【これからの見通し】週前半の円安の流れに陰り、米中対立に週末調整も
【これからの見通し】週前半の円安の流れに陰り、米中対立に週末調整も
ここ一両日は、円安の流れが怪しくなってきている。トランプ米大統領が、中国に対して攻撃(口撃)を仕掛けていることが市場を警戒モードに変化させているようだ。WHO、台湾、香港など多方面にわたって中国への批判を強めている。当然、中国側も態度を硬化させている。ただ、貿易合意第一段階については、破棄する動きには至らず、その点は一安心ではある。
中国では2カ月遅れで全人代が開催された。李首相は、経済成長目標を明言しなかった。きわめて異例の事態だ。これを受けてきょうは香港株が急落している。市場にリスク回避の動きに一因となっている。
さらに、きょうは週末を控えての調整が入りやすいタイミング。特に、週前半が円安の流れであっただけに、ポジション調整が入りやすい。ユーロドルが節目水準の1.10台乗せ定着に失敗しており、ユーロ円の上昇進行が止まったことも、円高方向への圧力につながっている。
ドル円は108円台乗せを何度も試したが、こちらも定着できず。足元では107円台前半へと押し戻されている。日銀が臨時会合を開催し、中小企業向けの資金供給について発表した。ただ、事前報道が多かったこともあり、発表後はイベント終了感が広がっているようだ。
各国の新薬開発の報道についても、疑問符が付く内容がでてきている。多くの点で、円安材料は後退してきているようだ。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、トルコ設備稼働率(5月)、カナダ小売売上高(3月)が予定されている。ただ、市場全体に影響する指標ではないようだ。来週月曜日が米国のメモリアルデーの祝日となる。その全営業日で米債券市場は短縮取引となる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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