ドル円は下げ渋るも107.20円近辺=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は下げ渋っているものの107.20円近辺と本日安値圏での推移が続いている。きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となっており、ドル円は107円台前半まで下落している。きょうの市場はリスク回避の雰囲気が広がっており、米株式市場でダウ平均が一時600ドル近くまで下落する中、ドル円も戻り売りに押されている。ロンドン時間から一本調子の下げを続け107円台前半まで値を落とす動き。
リスク回避の円買いもさることながら、今月のFOMCでの利下げ期待が一気に高まっておりドル売りの動きがドル円を押し下げているようだ。CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、今月末のFOMCでの利下げ確率は75.4%、年内に至っては少なくもと1回以上の利下げ確率が88.5%まで上昇している。
前日のISM製造業景気指数を受けたネガティブな雰囲気がきょうも続く中、この日発表のADP雇用統計が予想を下回ったことも、その流れを加速させている格好。ISM指数は2ヵ月連続で景気判断の分岐点となっている50を下回った。貿易問題や世界経済の減速が米製造業のセンチメントに悪影響を及ぼしていることが明確に示され、市場は再び景気後退への意識を強めているようだ。
昨年も10月から景気後退の雰囲気が強まり、クリスマスまでリスク回避の展開が続いていたが、今年も同様になるのではとの懸念が市場に再来しているのかもしれない。
ドル円は本日の下げで100日線と21日線を下放れる展開となっており、明日以降の動きが警戒される。
ユーロドルは買い戻しが優勢で1.09ドル台半ばまで上昇。ドル売りがユーロドルを押し上げているようだ。米国債利回りが大きく下げており、ドイツ国債との利回り格差縮小がユーロドルをサポートしている模様。1.10ドルちょうど付近に21日線が来ており目先はその水準を試しに行くか注目される。
ただ、ユーロ自体にも強気になれない。前日発表のドイツ製造業PMIは統計開始以来の水準に低下しており、ドイツ経済は第3四半期もマイナス成長が見込まれ、テクニカル的なリセッションに陥るとの見方も根強い。米国によるEU車への関税賦課や、英EU離脱などのリスクがある中、ユーロの上値を積極的に追う雰囲気にはないのも実情だ。
ポンドドルも買い戻しの動きが優勢となっており、一時1.23ドル台まで戻している。きょうはジョンソン英首相がバックストップ案の代替策をEUに提示している。北アイルランドはEUの関税同盟に留まるが、北アイルランドの議会と政府が留まるかを採決で決定できる。残留の場合でも、4年ごとに採決が行われる。また、北アイルランド国境での検査は行わない。提案を受け取ったユンケル欧州委員長は前進を歓迎しつつも、関税規則など問題点もあると述べていた。また、アイルランド政府からも否定的な反応が聞かれている。
ジョンソン英首相はこの提案が受け入れられなければ、合意なき離脱を強硬するとも述べているが、英議会は合意なき離脱を回避する法案を成立させており、市場に懸念は広がっていない。
MINKABU PRESS 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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