独立記念日迫る。外人手を引いたか。
独立記念日休場、飛び石ですぐに雇用統計発表
今晩米国市場はありますが(半ドンでしょう)、明晩は独立記念日で休場です。
外人が短期手仕舞いをしても不思議ではありません。とくに、休場の翌日・金曜日には問題の雇用統計発表があります。通常のイレギュラーなカレンダースケジュールというだけではなく、相応にポジションを落としておく需要が、彼らにはあるということでしょう。
当然ながら、ここもと調子に乗った上昇を見せた半導体など景気敏感株が利益確定の恰好の対象になりました。
日経反落、200日線死守
東京市場でも、同じです。200日線を巡る攻防戦ですから、ここを制した後に上昇トレンドが本格化するのが普通です。
200日線突破後、必ず発生する初押しが、思った以上に早く東京市場に訪れたことになりますが、これは偶然でしょう。東京が弱いからということでもないでしょう。
本日セクター別上昇ランキングでは、上位に水産農林、小売り、電力ガス、食料品、その他製品(主にゲーム)、サービス、医薬品といったディフェンシブ・内需系が並びました。
いかにも、景気敏感主導の急伸局面に対する反動です。
七夕天井、天神底
本日の日経新聞「市場点描」では、昔の相場格言「七夕天井、天神底」を取り上げていました。
7月初旬は、6月決算発表に対する期待感、配当の再投資など、センチメントも需給も良好になるので、七夕ごろまでは相場が上がりやすいものの、それ以降は夏休みということで、製造工場の稼働休止が多くなったり、米国でも雇用統計が悪化しやすくなる季節性もあります。天神祭のある25日前後には、安値をつけるという経験則から、こういう相場格言が生まれたようです。
ラマダンが重なるとさらにマネー需給も悪化するわけですが、今年は5-6月でしたから、該当しません。
カレンダースケジュール的には、5日の雇用統計から、12日のSQまでの一週間が一番月間では下がり「やすい」アノマリーがあります。
ちょうど七夕の時が転機になりそうです。
この格言がその通りになるとはもちろん言えませんが、市場参加者の多くの心理には深く刻まれているアノマリーですから、意思にかかわらず、なんとなくそんな傾向になる可能性は否定できないでしょう。
ただこの月間のアノマリーは「下がる」か、それとも「上がる」か、ということで言えば、下がる確率が高い時期というだけのことですから、深い下げになったり、大底をつけにいく下落になったり、ということではありません。
ただ、来週あたりからだんだんアメリカでも四半期決算発表が本格化していきます。
従って、事前に相場がおとなしくしていれば、決算内容が悪くてもアク抜けできるわけです。
しかし、事前に上がってしまいますと、決算発表ではそれこそ出尽くしで下がってしまうことにもなりかねません。
したがって七夕を前に東京にしろ、アメリカにしろ、値幅とは言いませんが、日柄ででも調整をしてくれたほうが、上昇トレンドは長続きするでしょう。
七夕天井はこういう意味では、どうかとは思うのですが、天神底は気を付けたほうが良いかもしれません。
これも、そこが大底とも限らないのですが、25日を含む7月第4週は、アメリカでは決算ピークであり、翌週には日本企業の決算ピークです。
しかも参院選が21日に行われており、30-31日の月末にはFOMCがあります。市場が4月6日以降に急伸した最大の材料である、連銀の金融緩和スタンスがここで確認作業となるので、出尽くしか、それとも失望か、ということになるわけで、どれもこれも、相場が上がるきっかけとしては役不足のようです。
このように総合的に今月の予定を見渡してみますと、結論としては今ここで相場が上昇を加速させてしまいますと、上昇トレンドは存外短いものになるでしょう。
ここで日柄にしろ、値幅にしろ、調整をしてくれれば、今月多少揉み合ったり、目立った勢いを見せないにしても、8月まで上昇トレンドが持続することにもつながっていく可能性があります。
肝要なのは、とにかくここで相場が下手にジャンプしないことです。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>ホールドのままです。順調にリターンの拡大になっています。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。