ドル円は戻り売りに押される展開 あくまで自律反発の範囲で上値重い=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間にかけて戻り売りに押される展開が見られており、107.75円近辺で推移。東京時間には香港紙が、米中は報復合戦を暫定的に休戦し、3000億ドルの中国輸入品に対する関税賦課回避で調整との報道が流れ、ドル円も買い戻しが加速し108円台を回復していた。米株も時間外で上昇していたが、NY時間にかけて伸び悩む動きが見られていることで、ドル円も追随しているようだ。市場では暫定休戦で合意したとしても、あくまで短期的なもので、今後も追加関税のリスクなど不透明感は長引くとの見方が強いる模様。
今週のドル円は106円台まで下落する場面が見られるなど売りが加速した。さすがに過熱感も出ており、きのうから買い戻しが入っているが、あくまで自律反発の範囲のようで上値での戻り売り圧力は根強いようだ。
ユーロドルは1.1370ドル付近の狭い範囲での上下動が続いている。アジア時間に1.1350ドルを割り込む場面も見られたが、買い戻しも入り1.1380ドル近辺まで戻していた。しかし、1.14ドルには慎重になっているようで、1.13ドル台後半で次の展開待ちになっているようだ。
FRBの利下げ期待が高まる中、ユーロドルは買い戻しを強めるとの見方がある一方で、ECBも追加緩和姿勢に転じており、ユーロドルの上値は簡単ではないとの見方と交錯している。現在はあまり市場の注目を集めていないが、イタリアがEUの財政規律に反対する姿勢を強めており、政治的な不透明感は根強い。英EU離脱問題も依然として不安視される中、米利下げという追い風の中でも、ユーロドルの上値には慎重にならざるを得ないようだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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