【これからの見通し】FOMC議事録受けて再び米債利回り急上昇、市場に不安定さ広げる

【これからの見通し】FOMC議事録受けて再び米債利回り急上昇、市場に不安定さ広げる

 昨日の米FOMC議事録では「成長加速で追加利上げの可能性高まると過半数が判断」としたことを受けて、米10年債利回りは2.90%付近から2.95%台まで急上昇した。市場は3月利上げをほぼ完全に織り込んできているが、今後の着実な利上げペースへの確信が増した形となっている。さきほどは、クォールズFRB副議長が「さらなる漸進的な利上げを予想、米経済は極めて良好」などと述べて市場の利上げ観測を後押ししていた。

 ただ、金利上昇ペースが速まることは、株式市場にとってはマイナス材料。昨日の米株式市場でダウ平均は大幅高からマイナスに転じると166.97ドル安で引けた。きょうの東京株式市場でも日経平均は234円安で取引を終えた。

 為替市場の値動きは複雑になっている。米債利回りの上昇はドル相場にとってはドル買い要因となるのが素直な反応だろう。しかし、ユーロやポンドなどドルの相手先通貨の債券利回りの上昇が速まる局面では、逆にドル売りを誘発することもある。また、株式市場が混乱すれば、リスク回避の円買い圧力となり、ドル円とクロス円の下降圧力が円の相手先通貨での売りとドル買いに波及することもある。結果として、個別通貨の値動きはかなりボラタイルなものとなりそうだ。

 きょうは米金融当局者の講演予定が多い。ダドリーNY連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁の講演や討論会出席が予定されている。昨日の米FOMC議事録ではインフレに対する見方がタカハト両派に分かれる面があり、各当局者の見解で市場が振れる可能性がある。

 米国関連では、新規失業保険申請件数(17日までの週)、景気先行指数(1月)などの経済指標発表のほか、米週間石油在庫統計の発表、米7年債入札(290億ドル)などが予定されている。カナダでは小売売上高(12月)が発表される。あすの消費者物価指数とともにカナダドルにとっては注目材料。

 この後のロンドン・欧州時間には、ドイツIfo景況感指数(2月)と英GDP・改定値(第4四半期)の経済指標に加えて、ECB議事録(1月24日、25日開催分)が公表される。前回のECB議事録(1月11日公表)では「2018年の早い時期にガイダンスの段階的なシフトについて検討」との内容が盛り込まれたことで、ユーロ買いの反応が広がった経緯がある。今回もこの路線が踏襲されそうだ。ただ、反応については一段と踏み込んだ内容がみられなければ限定的となりそうだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

出所: KlugFXニュース(株式会社みんかぶ)

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