ドル円、200日線を再び試す展開 上値には慎重な雰囲気も=NY為替概況
ドル円、200日線を再び試す展開 上値には慎重な雰囲気も=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は買いが続き158円台半ばまで上昇。200日線を再び試す動きが出ている。米国債利回りがプラス圏で推移していたことや、ドルが若干買い戻されていることも、ドル円の上昇に繋がっていた模様。
ただ、200日線が上値メドとして意識されているほか、為替介入への警戒感も上値を慎重にさせている。一方、下値も底堅く推移し、円安期待が根強いほか、動きは一服しているもののドル高期待も根強い。
先週の米インフレ指標は予想を上回り、FRBの利上げ期待を裏付ける内容ではあった。しかし、エネルギー価格上昇に起因するところが多かったことや、このところの米国債利回りの上昇がインフレを抑制するとの見方も広まる中、少なくともFRBの10月の利上げ期待は強まっていない。現在有力視されているシナリオは、12月に利上げを実施し、来年にあと2回の利上げとなっている。
テクニカル的に、週足ベースでは強気の包み足が完成したこともあり見通しが強気に転じている。ただ、一部のオシレーター系指標には上値の重さを示すシグナルも示現しており、上昇モメンタムは弱まっている状況。
一方、日足ベースでは十字線の示現が市場心理の重しとなり、弱気シナリオが一段と強まっている。目先は本日157.95円付近に来ている21日線を下回って取引を終えるか注目される。
ユーロドルは1.12ドル付近での推移が続いた。政治の機能不全に伴う財政赤字懸念からフランス国債の利回りが急上昇し、ユーロ圏市場に動揺が広がっている。独国債との利回り差は債務危機以来の水準に達し、他市場へも波及。
しかし、その割にはユーロはしっかりしている印象。今回の動揺が深刻な危機へ発展する可能性は低いとの見方も出ている。かつて危機に陥ったギリシャ等と異なり、現在のフランスの経常赤字は対GDP比1%未満と低く、対外依存度が抑えられている。
また、ECBは2022年に市場の混乱時に無制限で国債を買い入れる「伝達保護措置(TPI)」を導入。過去の教訓を生かした防衛網と堅調な経済構造により、連鎖的危機は抑え込まれるとの期待もあるようだ。
ポンドドルは1.33ドル台前半。先週は一時1.3370ドル付近まで上昇し、リバウンド相場の兆候も見せているが、信頼感はまだない。一方、ポンド円は211円台に上昇。21日線を完全に上抜いており、213円付近に来ている200日線を目指しそうな展開も見られている。
市場は来週の英秋季予算案に注目しているが、大規模な新政策が発表される可能性は低いとの見方がアナリストから出ている。イラン紛争が続く中、歳出を大幅に変更する余地は限られており、小幅な増税を通じて家計の財政負担を短期的に軽減することが政策の中心になると見ているようだ。重要な政策決定を先送りすることで、政府は歳出の優先順位をより慎重に見極める時間を確保できる。また、今後数カ月以内にイランでの紛争が終結すれば、エネルギー価格上昇による経済への下押し圧力が解消される可能性もあるという。
アナリストは「主要な政策プログラムに関する決定は来年まで先送りされる見通し。ヒーリー財務相にとって初めての予算案では、財務相版のヒポクラテスの誓い、すなわち『害を与えない』という原則に従うと予想している」という。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。