為替相場まとめ10月12日から10月16日の週
12日からの週は、ドル買いが先行したが、週末にかけてはドル売りに転じた。原油高と米インフレ指標への警戒が一貫して相場を支配し、ドルは上昇と調整を繰り返しながら推移した。中東情勢の緊迫化が原油高を誘発し有事のドル買いが強まると、ドル円は200日線を一時上抜けるほどの上昇圧力を受けたが、原油反落や米金利低下、円安けん制観測が重石となりドル高には調整が入り157円台まで押し戻された。週後半は米CPIが強い内容となり再びドル買いが急伸して159円手前まで上昇したものの、利上げ観測の巻き戻しで米金利が急低下し、ドル円は再び158円台割れへ失速した。ドルストレートでは、ユーロドルがフランス財政不安やECBの利上げ見送り観測を背景に戻りが鈍く、原油高局面で軟化しCPI後には1.11ドル台前半まで売り込まれたが、週末にかけては1.12台半ばへと買い戻されている。ポンドドルは1.32ドルが強固なサポートとして機能し、英国財務相の財政運営方針やEUとの関係改善期待が下支えとなり週末にかけては1.33台へと上昇、相対的に底堅かった。クロス円はドル円の上下に連動しつつも欧州財政リスクや英国の成長不安が重石となり伸び悩み、株安や米金利低下の局面では円買いが入り全体が押し戻されるなど、終始落ち着かない相場展開となった。
(12日)
東京市場はスポーツの日祝日のため休場
ロンドン市場ではドル買いが優勢となった。中東情勢の緊迫化に伴う原油高の進行を受け、有事のドル買いやインフレ警戒のドル買い圧力が高まった。ドル円はアジア時間の158.08付近を安値に、原油高とともに上昇が加速し、高値を158.60台へと伸ばした。ユーロドルはフランスの財政・政情不安やドイツメルツ政権の不安定さも重石となり、1.1217付近から1.1180付近へ軟化。ポンドドルは一時1.3261付近まで買われた後に1.32台前半へ押し戻された。ポンド円は209.99付近まで上昇し、対ユーロでのポンド買いが相場を支えた。
NY市場では、ドル円は本日高値圏での推移が続き、一時158.75円近辺まで上昇して200日線を上回った。サウジの空港への攻撃やトランプ大統領の参戦検討発言から原油高が続き、利回り上昇への警戒が根強かった。コロンブスデーで米債市場が休場のなか、ドル高が押し上げ要因となった。ユーロドルは上値が重く1.12ドルを割り込んだが、下値の底堅さも見せた。IMM投機筋のネットポジションが大幅な売り越しとなるなか、ECBの成長見通し引き上げが上値を抑えた。ポンドドルは1.32ドル割れを試すも、対ユーロや円での買いが支えとなった。
(13日)
東京市場のドル円はドル高が一服し、円買いが優勢となった。前日海外市場で158.75円まで上昇した流れを引き継ぎ158.69円でスタートしたものの、株安によるリスク警戒の円買いや、日米通貨当局による円安牽制への警戒感から159円手前で慎重姿勢が広がった。原油先物が94ドル台から92ドル台へ反落したことも押し下げ要因となり、昼にかけて158.19円まで下落。ユーロドルは利益確定売りが一巡した後に買われ、1.1181ドルまで持ち直した。ポンドドルも1.32ドルのサポートを維持し1.3229ドルまで上昇。クロス円も連安後に揉み合った。
ロンドン市場は、原油反落や米債利回り低下を背景にドル売りが先行した。ドル円はロンドン序盤に158円台に軟化するタイミングで「日銀は今月会合で利上げ見送る公算大」と報じられ、円売り反応で158.37付近へ跳ね上がった後、すぐに一転して157.83付近まで急落する乱高下となった。ユーロドルは1.1196付近まで上伸したものの1.12台には届かず後退。ユーロ円は177.10付近から176.49付近まで下落後に買い戻された。ポンドドルは1.3240台へじり高推移となり、ポンド円は報道を受けて208.90付近まで急落後に持ち直した。
NY市場では、米債利回りの低下に伴いドル売りが優勢となった。ドル円は一時157円台に下落し、200日線付近での上値の重さが確認されたが、NY時間後半には158円台へ買い戻された。翌日の米9月CPI発表を控え、原油高によるインフレ再燃と追加利上げ観測が注目された。ユーロドルは一時1.12ドル台を回復したものの、仏国債スプレッド高止まりなど財政リスクが警戒され上値は重かった。ポンドドルは1.32ドルがサポートとなり買い戻されたが反転力は弱く、英10年債利回りの低下予想に対して秋季予算案への警戒感が交錯した。
(14日)
東京市場のドル円は午前中に158.51円まで上伸した。仲値公示にかけた実需のドル買いが下支えしたものの、当局の円安牽制警戒から158円台後半では買いが慎重となり、他通貨に対するドル安も重石となって午後には158.11円へ反落した。ユーロドルは前日からのドル売りが継続し1.1211ドルまで上値を伸ばした。ポンドドルも1.3275ドルまで買われ堅調に推移した。クロス円は午前のドル円上昇に伴い買われたものの失速し、ユーロ円は177.59円まで買われた後に177.20円台へ反落、ポンド円も210.22円から押し戻された。
ロンドン市場は、米CPI発表を控え小幅な振幅にとどまった。フーシ派によるサウジアラムコ施設攻撃の報から原油が買い戻され、ドル指数は上昇へ転じた。ドル円は158.11付近から158.40台へ上昇し下げを解消。ユーロドルは東京時間の1.1211付近から1.1180台へ反落し、原油高による欧州経済への悪影響が意識された。ポンドドルは1.32台後半で小高く推移し、英財務相が追加借入なしで予算財源を確保するとの報道から対ユーロでポンド買いが先行。ポンド円は210.26付近まで買われた後に揉み合う展開となった。
NY市場では、強めの米CPIを受けてドル買いが急激に強まり、ドル円は一時159円手前まで急騰して200日線を越えた。しかし10月利上げ観測の巻き戻しとともに米国債利回りが急低下し、終盤には158円台前半へ急反落した。ユーロドルは一時1.11ドル台前半へ売り込まれ年初来安値に迫ったが、利上げ織り込みの後退や名目中立金利の上限意識から下げ渋った。ポンドドルも1.31ドル台半ばへ急落し、ポンド円は208円台半ばへ下落。英中銀ピル氏が市場の大幅利上げ観測を牽制したことも重石となり、下値を探る動きとなった。
(15日)
東京市場で、ドル円は昼にかけてドル安・円高が優勢となった。前日NY市場での米金利低下に加え、アジア株安に伴うリスク警戒の円買いが重なり、朝の158.35円から157.58円まで下落した。午後は米債利回りの下げ止まりを受け158.00円前後まで戻した。ユーロドルは前日からの反発が続き、1.1150ドル台から1.1241ドルまで上昇後に高止まり。ポンドドルも1.3259ドルまで買われた。クロス円はユーロ買いの波及でユーロ円が177.23円まで上昇後に反落、ポンド円も208.59円から209.26円へ上昇した。
ロンドン市場は、ドル売り優勢も動きが鈍化した。米10年債利回りが5.07%台へ低下しドルを圧迫、ドル円は157.58付近の安値から158円台へ戻した後に157.80付近へ押し戻された。米PPIや小売売上高の発表を控え見極めムードが広がる中、ユーロドルは1.12付近で高止まり。ラトビア中銀総裁が金利改定を急ぐ必要はないと発言した。ポンドドルは1.3276付近まで一段高のあとも高止まり。英8月月次GDPの予想外のプラス成長に対するポンド買い反応は限定的で、ポンド円は209円台での揉み合いとなった。
NY市場では、ドル円は一時157円台に下落したものの、後半には158円台へ買戻しが入った。米PPIは予想を上回ったが、CPI同様にガソリン高の影響を除いたコア指標の落ち着きが意識され、ドルの上値は200日線に抑えられた。株式市場でAI関連株の先高観が弱まり、円の反発余地も取り沙汰された。ユーロドルは1.12ドル台を回復し、ECBの10月追加利上げ見送り観測から戻りを試した。ポンドドルは1.3275ドル付近へ買戻され、英GDPの小幅成長が11月MPCでの利上げ織り込みを支える格好となった。
(16日)
東京市場では、ドル売りが優勢。午前は小動きだったが、午後にウォーシュFRB議長の慎重姿勢が伝わるとドル安が鮮明となった。インフレ指標が強いにもかかわらず、議長は就任当初から政策見通しの言及に慎重で、今回も同様のスタンスを維持。一方でウィリアムズ総裁など積極的に見通しを示す当局者もいる。ドル円は157円後半まで下落し、ユーロドルやポンドドルもドル安方向。ドル中心の動きながらクロス円は円売りがやや優勢。NZドル高の面もあり、NZドル円の上昇が目立った。
ロンドン市場では、ドル売りと円売りが並行して進んだ。東京午後にウォーシュFRB議長が政策の方向性に言及せず、早期追加利上げ観測が後退したことでドル売りが強まった。植田日銀総裁のスピーチも新味に乏しく、利上げ時期への言及はみられなかった。ロンドン勢の参加後はクロス円主導で円売りが加速。ユーロドルは1.12台後半、ポンドドルは1.33台半ばへ上伸し、ユーロ円177円台後半・ポンド円210円台後半へと高値を更新。ドル円はドル売りと円売りが交錯し158円前後で小動き。ドル指数は今週の米CPI後の低下が続き、10日線・21日線を割り込んでおり、今後のドル安基調の持続性が焦点となる。
NY市場では米債利回りの低下などを背景にいったんドル売りが強まり、東京午後の安値を割り込んで157.70円を付けた。もっとも、ドル安・円高一巡後は反発。中東情勢を受けた原油高が加速し、NY原油先物がNY朝の97ドル台から101ドル台後半まで上昇、ブレント原油先物も5月以来の110ドル台を付ける中でドル高の動きとなった。ドル円は158.34円まで一時上値を伸ばした。その後は週末を前にしたポジション調整が入り、158.00円前後での推移となった。ユーロドルは東京午後からロンドンにかけてユーロ高・ドル安が進み、1.1210ドルから1.1270ドル前後まで上昇した。ウォーシュ米FRB議長が政策の方向性について言及しなかったことが、米国の早期利上げ期待をやや後退させてドル売りにつながった。その後NY市場に入って原油高を受けたドル高により1.1210ドル台まで下げ、当日の上昇分のほとんどを解消した。引けにかけては調整の買いが入り、1.1240ドル前後を付けている。ユーロ円は対ドルでのユーロ売りに押される形で177.40円前後まで押し戻された。
執筆者 : MINKABU PRESS
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