英中銀総裁、金融街における詐欺・経済犯罪の取り締まりはロンドン市警が引き続き中心的な役割を担うべき
ベイリー英中銀総裁は、ロンドン金融街における詐欺・経済犯罪の取り締まりについて、ロンドン市警察が引き続き中心的な役割を担うべきだとの考えを示した。英政府が詐欺対策を全国規模の新たな警察組織に集約する改革を検討する中、異例の政策介入となる。
ベイリー総裁は、金融犯罪に関する専門機能を金融活動の中心地に置くのは「自然なことだ」と指摘。ロンドン市警をロンドン警視庁や新設予定の全国警察組織に統合すれば、人員が他の犯罪対策に振り向けられ、詐欺対策への専門性や人員の確保が損なわれる恐れがあると警告した。
英政府によると、詐欺は国内で最も件数の多い犯罪で、記録された犯罪全体の46%を占めるほか、国家安全保障上の脅威にもなっている。ロンドン市警は約20年間に渡り、英国全体の詐欺対策を調整する公式な役割を担ってきた。
一方、警察制度の見直しでは、イングランドとウェールズにある43の地域警察をより大きな地域組織に再編する案が検討されている。ロンドン市警についても、金融街を管轄する機能をロンドン警視庁に統合し、金融犯罪対策を新たな全国警察組織に移管する案が浮上している。
ベイリー総裁は、金融犯罪専門組織を金融街に維持する利点として「専門技能の構築・維持」と「他の犯罪対策との競合から専門人員を守ること」の2点を挙げた。
特にAIを含む高度な技術を犯罪者が利用できるようになる中、専門的な詐欺対策能力は今後さらに重要になるとの認識を示した。
ベイリー総裁はまた、ロンドン市警とは英金融行動監視機構(FCA)長官時代から長年協力していると説明。今月にはオランダ中銀が米国とカナダに保有していた金86トンを英中銀の金庫へ移送する作業でも、市警が関与したという。英中銀の金庫には現在45万5000本の金塊が保管されており、世界で2番目の規模としている。
執筆者 : MINKABU PRESS
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