明日はFOMC 利上げ確実視 ドット・プロットに注目
明日はFOMCの結果が公表され、市場もその結果を確認したい雰囲気が強い。今回は利上げが確実視されているが、ボウマン理事は据え置きを主張し、反対票を投じると予想されている。短期金融市場でも利上げ確率を92%まで織り込んでおり、ここで据え置けばFRBの信認を巡る疑念が生じ、長期金利上昇を招く可能性もあるという。
◆ドット・プロットに注目
今回は経済と金利の見通し(ドット・プロット)も公表になる。短期金融市場では12月までにもう1回の利上げが織り込まれているが、エコノミストの間では、年内の利上げは今回の1回のみの予想が中央値になるとも見られている模様。ただし、6月時点では6人が年末までに少なくとも2回の利上げを予想しており、今回は12月までにもう1回の利上げを見込む参加者が委員の半数近くまで増える可能性があるとの見方も少なくない。
なお、ウォーシュ議長自身はフォワードガイダンスを避ける姿勢から、今回もドット・プロットへの予測提出を見送る可能性が高いと見られている。
経済見通しは大きくは変わらず、2026年の成長見通しは2.2%が維持される見込み。その後については金融環境の引き締まりやエネルギー価格上昇を反映し、下方修正される可能性もある。一方、コアPCEは、今後予定される統計改定を考慮して3.3%から3.2%へ下方修正される一方、総合PCEはガソリン価格の再上昇を受け3.3%から3.5%へ上方修正されると予想されているようだ。
◆声明文は過去2回と同様に簡潔か
声明文はウォーシュ議長就任後の過去2回と同様に簡潔な内容となり、ボウマン理事の反対票への言及を除けば大幅な変更はないと見られている。
◆ウォーシュ会見は明確な示唆は避ける
ウォーシュ議長は会見で追加利上げの可能性を残す一方、明確な示唆は避けると予想されている。7月会合のように政策判断の基準が不明確と受け止められれば長期債が売られ、利回りが上昇する可能性がある一方、FRBの「反応関数」を明確に説明できれば米国債市場には安心感が広がる可能性もある。
◆保険的利上げの位置づけ
もっとも、今回の利上げは利上げサイクルの始まりというよりも、保険的な1回限りの利上げの位置づけになる可能性が高いとの見方も出ている。インフレ圧力の多くは依然として供給要因によるもので、期待インフレは安定しているほか、物価上昇の広がりにも改善が見られる。PCE価格指数を構成するCPIとPPIの構成品目のうち、過去12カ月で3%超上昇している品目の割合は8月に約52%と、前月の54%から低下した可能性がある。
今回のFOMCでは利上げそのものよりも、ドット・プロットで追加利上げを見込む参加者がどこまで増えるかが鍵となる。足元では債券安や株安によって金融環境がすでに急速に引き締まっており、追加利上げによるインフレ抑制効果以上に景気や雇用への悪影響が大きくなるリスクも留意される。
最新のインフレ指標と市場の大幅な織り込みがFRBを9月利上げへ押し切るものの、その後は据え置きに転じるとの見方が基本シナリオとなっているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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